昨年７月の東京都知事選で旋風を巻き起こした前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏（４２）が１５日、都内で会見を開き、地域政党「再生の道」の立ち上げを発表した。昨夏の都知事選で石丸氏を支えた〝選挙の神様〟藤川晋之助氏の姿が見えないが、果たして…。
石丸氏は「広く国民の政治参加を促す」として今夏の都議選に向け候補者を公募し、全４２選挙区に擁立を目指す。候補者の条件として２期８年を上限とする多選の禁止を掲げた。また自身が都議選に出馬することはないという。
会見前から石丸節をさく裂させた。報道陣に対して「テレビ朝日の方はいらっしゃってますか？」と呼びかけた。石丸氏はテレビ朝日の情報番組「グッド！モーニング」で都知事選を振り返る１時間２０分のロングインタビューを受けたが、１０分にまとめられたことにブチ切れ。ユーチューブチャンネル「ＲｅＨａｃＱ―リハック―」でテレビ朝日に対して「絶対許さん」と宣戦布告していた。
しかし、テレビ朝日関係者の姿はなく「困りましたね～。今日、会見の流れが半分になりました。残り半分は何かというと記者クラブを詰める」と不敵な笑みを見せた。
会見が始まると予告通り記者クラブへの糾弾を開始。記者クラブ宛てに出した会見の案内状がネットに流出したことで「誰が来るか分からない状況では種々のリスクが高い」として会見場を変更していたのだが、石丸氏は幹事社に対して「重大事故じゃないですか。過失があったのは明らかです。しかしながら記者クラブ、幹事社から謝罪はありませんでした。まず、その姿勢がおごっとる」と憤った。
安全面での訴えは当然だが、それを公開でやるのが〝石丸劇場〟たるゆえんだろう。都知事選では切り抜き動画が拡散され２位に躍進。ＳＮＳを駆使した戦法は、その後の選挙の在り方に大きな影響を与えた。市長時代も議会との対立を公開し大バズりした。今後も対立構造を作り、注目を集めていくのか。
都知事選では〝選挙の神様〟こと藤川氏が参謀を務めたが、今回は不在。「藤川氏は石丸氏に対して『もう名前が知れ渡ったのだから無駄な敵を作るのはもったいない』といさめることもありました。２人は関係が途絶えたと言われていましたが、石丸陣営の事務局長は昨年まで藤川氏の事務所のナンバー２を務めていた人物です。藤川氏は表立っての協力はしませんが石丸氏に期待を寄せているようです」（永田町関係者）
新参謀が石丸氏をどうサポートするかがカギになるかもしれない。