日本ハムのドラフト5位・山県秀内野手(22=早大)が来月1日から始まる春季キャンプを前に「難題克服」に奮闘している。
山県は新人合同自主トレに参加する唯一の野手で、即戦力の遊撃手として評価も急上昇。一部首脳陣からは「守備はすでに一級品。打撃次第では開幕一軍もある」と早くもプロ1年目から一軍定着を期待されている。そんな逸材だが、キャンプ前に完成させておきたいのが「卒論」だ。
昨年から「企業の投資リスク」をテーマにゼミ仲間4人と共同で再生可能エネルギーに携わる会社や団体などを研究。日本ハムの入寮前までに自身の担当分は終わらせたのだが「まだ先生からフィードバック、手直しがあると思うので。それがまだ…」と最後の仕上げを残している。
「持続可能エネルギーってあまり日本で普及してないじゃないですか。そういう面を考えると今後日本ではエネルギー供給が途絶えたりするリスクはある。コストもかかりますし。ただ、野球をやりながらそういう研究を考え始めるのはストレスではありますね」
難関校といわれる早稲田学院高から早大に進学した生粋の秀才。ピアノ演奏も得意な異色の新人は卒論でも妥協を許さないため、野球との二足のわらじには苦労が絶えない。それでも開幕一軍を見据えながら最後は力強くこう誓う。
「卒論も大事ですが、それ以上にやっぱり野球がやりたいので。卒論はササッと終わらせて、持ち味の守備を前面に出してキャンプからアピールしていきたいです」
漫画「ドカベン」に出てくる殿馬を地で行く山県。文武両道を貫きながらレギュラー奪取に挑む。