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【初場所】満身創痍の照ノ富士が引退へ 序二段から復活し一人横綱として土俵をけん引、今後は親方に

東スポWEB 2025年1月17日 5時7分

大相撲の横綱照ノ富士(33=伊勢ヶ浜)が現役引退の意向を固めたことが分かった。近日中に引退会見が行われる。2場所連続の休場明けから復帰した初場所(東京・両国国技館)は5日目の16日に途中休場。師匠の伊勢ヶ浜親方(元横綱旭富士)は「右ヒザが腫れて曲がらない。かばっているうちに腰も痛めた」と満身創痍の現状を説明していた。

照ノ富士は初場所2日目に初白星を挙げた取組後に「自分の中でやれることをやって、ダメだったら…という思いがあった。自分の全てを出し切って、後先考えずにやりたい」と胸中を吐露。進退をかける覚悟をにじませていた。しかし、4日目に2敗目を喫し、5日目から休場。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「気持ちがなえてしまったのかな…」と心中を推察した。

近年は両ヒザの古傷や糖尿病などに苦しみ、昨年の皆勤は2場所のみ。今回を含めて、横綱在位21場所で休場は13回にも及ぶ。体力の限界は明白。今場所が始まってからも、親方衆の間では横綱の〝引退Xデー〟がささやかれていた。同じ伊勢ヶ浜一門のベテラン親方は「今場所で結果を残せなければ、もう引退だろう」と断言。別の中堅親方も「明らかに力が落ちているし、見ていてつらいものがある。辞めるのは時間の問題」と指摘していた。その見立てが的中した格好だ。

それでも、照ノ富士が現役中に残した功績は称賛に値する。両ヒザのケガで、大関から序二段にまで転落。一時は気持ちが引退へ傾くも、師匠の説得で奮起し、不屈の精神で横綱にまで上り詰めた。初代若乃花、北の富士らに並ぶ通算優勝10回を達成。2021年9月に横綱白鵬(現宮城野親方)が引退すると、一人横綱として土俵をけん引した。

照ノ富士は21年8月には日本国籍を取得。引退後は相撲協会に残り、親方として後進の指導にあたる見通しだ。

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