巨人の伊藤優輔投手(28)がFAで加入した甲斐拓也捕手(32)の人的補償として、ソフトバンクに移籍することが16日に決まった。
伊藤は2020年のドラフト4位で「三菱パワー(現三菱重工East)」から入団し、21年オフにトミー・ジョン手術を受けた影響で育成落ちを経験。昨年7月に支配下復帰を果たすと、一軍では救援として8試合に登板し防御率1・04と好成績を残していた。
伊藤は球団を通じて「今年はさらに飛躍できる年にしようと思っていた矢先の出来事だったので少し驚いてはいる」としながら「日本シリーズでジャイアンツと戦えるように頑張っていきたいと思います」とコメント。阿部監督も「気持ちが強い投手ですから、新しい環境に移っても力を発揮してくれると思っています」とエールを送った。
突然の移籍にはなったが、伊藤と人的補償には意外な〝縁〟もあった。G党だった右腕はプロ入り前、実は人的補償で内海や長野が移籍となった際に自身の「X」(当時はツイッター)に「なーんでプロテクトしてないの!」などとファンならではの心境を投稿。時は流れ、今度はくしくも自分が人的補償で移籍することとなったのだ。
チーム内からは「チョーさん(長野)たちとはまた立場は違うけど、彼が他球団に求められるほどの実力がついたということは間違いない。悲観せずに、むしろ自信をもって新天地で頑張ってほしいよね」とエールを送る声も上がった。
パ王者のソフトバンクにポテンシャルを認められた伊藤。福岡の地で胸を張り、力を存分に発揮できるか――。