ベテラン捕手の〝つなぎ役〟も不可欠となりそうだ。西武・炭谷銀仁朗捕手(37)が16日に先輩の中村剛也内野手(41)、栗山巧外野手(41)とともにベルーナドームに隣接する球団施設で自主トレを公開した。
3人に共通するのはいずれも関西出身で高卒入団。担当スカウトも松井稼頭央(1995年3位)や和田一浩(96年4位)、中島裕之(宏之=2000年5位)ら多くの主力野手を見いだした鈴木照男氏だった。厳しい勝負の世界で20年以上、第一線で活躍することは至難の業。しかも3人ともライオンズの栄光も挫折も経験しており、次世代の選手たちへ還元していくこともチーム強化につながる。
3人の中で最も年下となる炭谷は「僕が去年、西武に帰ってきて栗山さんと中村さんの間がだいぶ空いてしまって、若い子が多い中で僕のキャラも生かしつつ、いい意味でつなぎ役になればと思ったんですけど…」と振り返り「やはり去年の成績を踏まえてもっと違う形にしていくことも必要なのかなと。いろんなことをやらなくちゃいけないかなというふうには感じています」。レジェンド2人と若手をつなぐ役割を新たな任務として受け止めているという。
08年の日本一を知る現役選手も減少。それだけに炭谷は「このご時世、難しい部分ではあるんですけど」と言いながらも「チームが強くなるためには、先輩から言えるいろんな話は必要かなという部分は感じている」とコンプライアンスに配慮しながら〝勝者のメンタル〟をいかに若手に植え付けていくかの方法を模索している。
中村剛からは「一緒に練習してると、炭谷が僕より年上みたいな雰囲気を出してくるので、そういうところがやっぱり変わったかな」とイジられた炭谷。栗山は日本一経験者のベテラントリオの思いを代弁するように「やっぱりパ・リーグで優勝して日本シリーズに出て勝ちたい」と思いをはき出した。17年ぶりの栄冠を手にするためにも、炭谷の働きも見逃せなくなりそうだ。