17日のNHK連続テレビ小説「おむすび」75話は、この日で阪神淡路大震災発生から30年となったことに合わせ、震災追悼行事の実写映像が流れる異例の演出で始まった。
リアル世界では同日、地震発生の午前5時46分に合わせて神戸市で開かれた「阪神淡路大震災1・17のつどい」(東遊園地)で、火の灯された灯籠によって「よりそう 1・17」の文字が浮かび上がった。ドラマは、物語に合わせた2012年の1月17日、午前5時46分に「1・17」と灯された神戸の映像からスタート。「実際の映像」とのテロップが入っていた。
続いて、同じ時刻に東日本大震災で被災した宮城県石巻市で「神戸」などと文字が浮かび、黙とうする映像。さらに同じ日の午後2時46分、神戸から東北の被災地に向けて黙とうがささげられた。いずれもやはり「実際の映像」だった。
神戸が舞台で、阪神淡路大震災も描いた「おむすび」。現在は東日本大震災での被災地支援がストーリーの中心をなしている。この日は主人公の結(橋本環奈)たちも黙とうし、父の聖人(北村有起哉)が「どんだけ時間がたっても1月17日がくると鮮明にあの日のことを思い出すわ」と語り、結ら若者は語り継ぐことを誓った。
追悼行事で浮かんだ灯籠による明かり文字。95年末に始まった「神戸ルミナリエ」は震災犠牲者の鎮魂と記憶の継承、復興への希望を託すことなどを目的とする光の祭典として続いている。B’zによるドラマ主題歌の曲名は「イルミネーション」だ。
X(旧ツイッター)ではかねて「神戸ルミナリエを意識してる」などと指摘された「イルミネーション」。30年の節目を迎えたこの日、「やっぱりルミナリエのことですよね。泣ける…」「神戸ルミナリエか!今さら気づいた~」とタイトル回収の声も。「イルミネーションの曲がめちゃくちゃ刺さっちゃったよね…」とこのタイミングでの放送に特別感を抱いたとの投稿もみられた。