大相撲初場所6日目(17日、東京・両国国技館)横綱照ノ富士(33=伊勢ヶ浜)が正式に現役を引退。年寄「照ノ富士」を襲名した。
先輩横綱で伊勢ヶ浜部屋付きの宮城野親方(元横綱白鵬)は「朝稽古の時に会って、(照ノ富士から)『今日をもって引退することにします』と報告がありました。『よく頑張ったな、お疲れさまです』と伝えました」と明かした。
照ノ富士は両ヒザのケガで大関から序二段にまで転落。そこからはい上がり、横綱にまで上り詰めた。宮城野親方は「一回、どん底のまたさらに下まで番付が下がって、肉体的にも精神的にもね。関取、大関なら分かりますけど、一気に横綱になりましたからね。私も想像できない、理解できない奇跡を成し遂げた。すごいなと」と不屈の闘志をたたえた。
照ノ富士との思い出の対戦を問われると、宮城野親方は現役最後の取組となった2021年名古屋場所千秋楽を挙げ「最後の名古屋場所が思い出に残りますね。(当時大関の照ノ富士は)前の場所で優勝して、14戦全勝同士ですから。自分の中では大関照ノ富士ではなく『横綱照ノ富士』として土俵に上がった気がしますね」と振り返った。