大相撲初場所6日目(17日、東京・両国国技館)、横綱照ノ富士(33=伊勢ヶ浜)が正式に現役を引退。年寄「照ノ富士」を襲名した。
同じモンゴル出身で先輩横綱の音羽山親方(元横綱鶴竜)は「お疲れさまでしょう。あの体で、よくここまでやったんじゃないですか。あれだけのケガがある中で休んで、出てきた時はしっかりと結果を出した。いろんなところをケガして、心が折れてもいいぐらい。それを乗り越えて戻ってきて、横綱にまで上がったわけですから。なかなかできない」とねぎらった。
照ノ富士は両ヒザのケガで大関から序二段まで転落。その後に横綱まで上り詰め、優勝10回を重ねた。音羽山親方は「最初に上がってきたころは相手に押されても下がらない。ただ、相手を受ける相撲がケガにつながってしまった」とケガの要因を指摘する。
その上で「そこから相撲も変わった。前に前に出る意識を持って。足(ヒザ)はどうしようもないんで、上半身の筋肉をつけて。あれだけの上背(192センチ)があるからこそ、足が悪くても上半身の力でカバーできた。184、5センチの人が足が悪くて上半身を鍛えてもそこまでいかない。普通は逆じゃないといけない。足が一番大事だけど、あの上背で懐の深さが武器になった。大関に最初に上がった時の体と今の体は全く違う」と規格外の強さを分析した。