米ベストセラー作家スティーブン・キング(77)は16日、今年のアカデミー賞に投票しないことを明かし、ロサンゼルス周辺地域の森林火災を受け、同賞を中止すべきだとの考えをソーシャルメディアで示した。
ホラー映画の傑作「キャリー」や「シャイニング」などで知られるキングはSNS「ブルースカイ」で、米映画産業の中心地ハリウッドがあるロサンゼルスが山火事で壊滅的被害を受ける中、「華やかなイベントは不必要」だと主張した。
映画芸術科学アカデミーが主催する今年の「第97回アカデミー賞」発表・授賞式は3月2日、ハリウッドのドルビー・シアターで予定されている。
カリフォルニア州史上最悪とされる今回の森林火災を受け、同アカデミーは投票期間を延長し、ノミネート発表を17日から22日に先延ばしにした。
また、2月10日に予定されていたノミネートされた全ての関係者を招待して開かれるはずだった昼食会は中止が決定。昼食会の費用25万ドル(約3900万円)は山火事救援募金活動に使われることも決まった。
一方、開催を求める声もある。映画「グラン・ブルー」(1988年)や「パルプ・フィクション」(94年)で知られる米女優ロザンナ・アークエット(65)もその一人。米誌「バラエティ」にアカデミー賞開催の必要性を主張し、「今年は芸術を祝うだけではない。芸術を使って再建し、刺激を与え、最も必要とする人々を助けることが目的だ」と訴えた。
米アカデミー賞受賞者は、俳優や監督のほか、キングら作家など全ての分野の映画関係者で構成する同アカデミー会員約9300人の投票によって決まる。