大宮競輪の大阪・関西万博協賛GⅢ「東日本発祥76周年 倉茂記念杯」は19日、最終日を迎えた。今シリーズは二次予選敗退となったS級S班の北井佑季(34=神奈川)が9R特選でまくりを決めて、なんとか白星締めに成功した。
3日間いいところがなかった〝S級S班1年生〟が最後の最後に意地を見せた。サラ脚で中団を回ると、豪快なまくりで前団をのみ込み、根田空史(36=千葉)を振り切った。「周りが脚を使っていたので行き切れたと思う。それでも自分も持てる力を精いっぱい出し切れたので」と安堵。それでもシリーズを通しては多くの課題が見つかった。
「まくりで1着が取れたのは良かったけど、でも先行しての1着はなかったので。500バンクで寒くて風が強くて。重い条件がそろった中で逃げ切るのは難しいけど、それでも自分の走りでっていう思いはある。それができなかったし、まだまだ足りないです」
また、最終日の発走前には「お客様から『お前のパンツは何色だ』って声が聞こえて。今までは(S班など強い相手を)倒してやろうとやってきたけど、立場が違ってきた。自分は追い掛けるものがないと。追い求める何かがあればと思うし、それを見つけていきたい。今がヤマ場だと思うので、これを乗り越えて、打ち破れるように」と強い決意を示した。
悔しいシリーズにはなったが、同時に収穫もあった模様。今後の巻き返しに期待したいところだ。