まさかの取りこぼしだ。大相撲初場所8日目(19日、東京・両国国技館)、大関豊昇龍(25=伊勢ヶ浜)が幕内正代(33=時津風)に押し倒されて2敗に後退。今場所で優勝すれば横綱昇進の可能性がある中、痛恨の黒星で首位とは2差に開いた。取組後の支度部屋では取材に応じず、国技館を後にした。
正代は大関経験者とはいえ、平幕の相手。合口も豊昇龍が過去11勝5敗とリードしていた。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は取組前の時点で「元大関(正代)には失礼だが、こういう勝てる相手にキチッとかっていくことが大事。強い相手には自然と気合が入る。『普通にいっても勝てる』という相手には(余計に)気合を入れないと」と警鐘を鳴らしていた。不安が〝的中〟してしまった取組後には「一発で持っていくイメージだったと思う。まだこれからだ」と奮起を促した。
審判長の粂川親方(元小結琴稲妻)は「〝まさか〟ではないけど…。正代が力を出していた。豊昇龍は慌てたのかな」と取組を分析。2敗に後退したことについては「これから(相手は)上位だから、厳しいと言えば厳しい」と指摘した。