鷹の正捕手争いに新候補爆誕か――。ソフトバンクの尾形崇斗投手(25)が19日に筑後市内の二軍施設で練習を行い、キャッチャーミットの謎を明かした。
今季で8年目を迎える救援右腕は昨季は、力強い直球を武器に12試合の登板で2勝0敗、防御率2・31の成績。日本シリーズでもチーム最多の4試合に登板するなどブレークの兆しを見せた。
自主トレは育成の宮里とともに二軍施設で行っているが、キャッチボールではなぜか捕手用のグラブ…。本人に聞くと「(今は)キャッチャーミットしか練習に持ってきてない」とのことだった。ということは、まさかの捕手に転向するつもりなのか。その理由を聞いてみると「明確にあるんですよ」と、こう説明した。
「(自分は)投球時に左半身で壁を作る、ブロッキングが弱い。簡単に言うと、キャッチャーミットを使うと壁の要素が助長される。あとはグラブを胸の前に持ってくる時の速さ。これが骨盤の回転に関係していて、普通のグラブよりも手でしっかりとミットを握れるので、その力も利用して速さを高めることができる」
投球動作を改良するため、この取り組みを今年の自主トレから始めたという。フォームを修正する際のある意識が練習法につながっている。
「外的要素を入れること。頭で(修正点を)意識しようと思っても、長年野球をやってきた動きが体に染み付いているのでなかなか直らない。それなら外的要素を入れて環境を変えてしまおうと」。意識せずとも体が自然に動くように環境をつくるアイテムの一つがキャッチャーミットだったのだ。
小久保監督が「1イニング6人衆」に名前を入れるなど、首脳陣からの期待も大きい剛球右腕。ホームベースを守らずとも、捕手の道具も駆使して飛躍を目指す。