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【MLB】小さな島から数々の大リーガーを輩出…年末年始に訪れたキュラソーが最高すぎた!

東スポWEB 2025年1月20日 11時2分

【元局アナ青池奈津子のメジャーオフ通信】昨年のクリスマス直前、携帯画面の通知を見て、衝撃を受けた。

「発表。今回は一度休憩を挟んで、2026年に戻ってきます! すてきなホリデーを! キュラソー・ベースボール・ウィーク(CBW)」

ベネズエラ沖にあるカリブ海の小さな島キュラソーで、帰省中の大リーガーなどが毎年集まり、野球クリニックやチャリティーイベントが年始の1週間で行われるCBW。政府の観光ページにも載るほどで、まめに更新されるはずのSNSでスケジュールがなかなか出ないと思っていたら、開催10日前にまさかの中止…。この知らせに、選手らに会うのを楽しみにしていたであろう島の子供たち以上に、ショックを受けたかもしれない人間(私)が日本にいた。

この数日後にロサンゼルスに飛び、そこからさらにヒューストンとアルーバを経て、キュラソーで年越しを過ごし、ずっと気になっている「この小さな島から近年やたら大リーガーが出るのはなぜ?」を探るつもりで、2か月前に旅行を組んでいたのだ。チケット代、ホリデー価格で目が飛び出そうだったのに…。

当てが外れて少しガッカリしたが、そこはきれいなエメラルドグリーンが広がるカリブ海。写真を見て一目ぼれし、ユネスコ世界遺産に登録されているカラフルな首都ウィレムスタッドをこの目で見たかったし、過去に行ったカリブ海の島々や、キュラソー出身選手の陽気な顔が浮かんで、きっと島のどこかに野球はあるはずと、深く考えずに行くことにした。

そんな能天気なノープラン旅行が、人生トップスリーに入る最高な年越し旅行になるとは思いもしなかった。キュラソーの母国語、パピアメント語で「素晴らしい、いとしい、おいしい、すてきな」などを全部意味する「DUSHI」という合言葉があるが、キュラソーまさにデューシー。

気分が上がる街並みと海、女の一人旅でも危険を感じなかった治安の良さ、食事のおいしさ(値段はピンキリ)、ハイテク、そして英語が通じる! 選手を通じて島民がオランダ語やスペイン語も話せる最低4か国のマルチリンガルであることは知っていた。でも、参加した水族館のツアーで日焼けした近所のメキシカンに似たガイドのおじさんが、同じ内容を流ちょうな3か国語で話し始めた時には、サメの餌付けよりもクギ付けになってしまった。

宿泊した街中の小さなブティックホテルからは事前に携帯にメッセージが届き、QRコードで自動チェックイン。島の至るところにWi―Fiもあった。

長年、オランダの統治下にあり、奴隷貿易の拠点となっていたダークな歴史もあるのだが、それゆえにアフリカ、ヨーロッパやインドなどの文化が融合してキュラソー料理が生まれた。そのバラエティーの多さ、ウィレムスタッドのマーケットで食べたオクラスープがおいしすぎて忘れられないし、肉料理も魚料理も豊富で1週間ではとても食べ尽くせなかった。

島の南側には洗練された高級リゾート地、西側に行けば未開発のローカルビーチが点在していて、冒険感という意味でも見どころ満載。私は元旦に急きょレンタカーを手配して奇跡的に1台見つかったが、キュラソーへ行くならぜひドライブで見て回ってほしい。

そんなこんなで島を思い切り満喫していたところ、また携帯電話の通知が鳴った。「2時間後にここで会おう。ヘンスリー・ミューレンス」。キュラソーの大リーガー第1号でCBWの発起人ヘンスリーのインタビューに臨んだのだ。

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