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【宮崎祐樹連載#46】保険営業をしながら社会人チームを指揮 活動2年目で全国大会に出場

東スポWEB 2025年1月20日 11時22分

【宮崎祐樹連載 オリのゴリBsを知り過ぎた男(46)】2022年、僕は社会人軟式野球チームの「Baseball Team NINE」の監督に就任させていただきました。あくまで、本業である保険営業マンという仕事に支障のない範囲で1か月に数回くらいの頻度で指導に当たらせていただいています。

このチームは障がい福祉業界に携わる3つの会社が協力し運営に携わっていて、選手たちはそれぞれの会社の従業員、支援員たちを中心に構成されています。選手たちは高校、大学、短大、専門学校の卒業生で野球のトライアウトを受験して各社に採用されていきます。

各社の規定による給与を受け取りながら、野球手当も支給され野球に打ち込める環境を提供されます。皆さんが想像する硬式の社会人野球の選手が野球のかたわら、業務をこなすイメージに近いですが、どちらかというと仕事のかたわらで野球をプレーしているイメージでしょうか。

選手たちはグループホームや障がい福祉施設の支援スタッフとして働いています。障がいを持つ利用者さんの日常生活の援助を行い、給与を受け取りながら野球ができる環境にあるので、社会人になっても好きな野球を続けられて幸せだなと思いますね。

チームを運営する3社のうちの株式会社SHINDEN・中本築代表は「施設で物作りなどをしつつ生活されている障がい者の方々が、自分を介護してくれている選手のユニホームやグッズを作って、応援もしてくれています」と話すように介護する側、受ける側が支え合う関係が成立しているってすてきなことだと思いませんか。

グループホーム、障がい福祉施設の1施設には1人か2人の選手が在籍していて、ともに作業にいそしむ利用者さんたちみんなが選手たちのファンになって応援してくれている状況です。1つの施設に選手が1人で入所者さんが20人いるとしたら、20施設で400人ほどの利用者さんが存在します。

その400人が日々、施設で一緒に活動する選手たちに思い入れを持って、球場に応援に来てくれるんです。プラスアルファで利用者さんたちのご家族や仲間も応援に来てくれるケースもあります。利用者さんたちも施設内でずっと作業をしているという方々も多いので、外出してスポーツを観戦するということを楽しんでもらえているとも思うんです。

会社的にも、スタッフ的にも利用者さんたち的にもウィンウィン。利用者さんたちからすれば、一緒にいる介護福祉士さんたちを応援することが生きがいにもなっている。選手たちはそれを理解しているので全力疾走を怠らないとか、野球道具を大事に扱うとか、見られている意識を強く持って活動してくれています。

試合が終わってもミーティングを行う前に、大応援団に囲まれて勝利を祝福してもらい、何とも言えない、いい空気が生まれます。そんな好循環が後押ししてくれたのか、チームとしては活動2年目に全国大会に出場することもできました。

23年9月30日から岩手県で開催された「高松宮賜盃第67回全日本軟式野球大会」への出場権を獲得。これは素晴らしい結果です。しかし、岩手県で開催される大会に普段の大応援団に帯同してもらうのは現実的に厳しい。

移動費に宿泊費に…。では、どうすればいいのか。その際の株式会社SHINDEN・中本代表の行動力に僕はまた驚かされることになります。

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