将棋のA級棋士である中村太地八段(36)が20日までにユーチューブチャンネル「棋士中村太地将棋はじめch」を更新し、女性初の将棋棋士を目指す西山朋佳女流三冠について語った。
西山三冠は今週の22日、プロ棋士編入試験5番勝負の最終第5局の柵木幹太四段戦に臨む。西山三冠はここまで2勝2敗のタイで、最終局に勝つと通算成績3勝2敗で合格だが、負けると不合格となる大一番だ。
棋士編入試験では5人の棋士が試験官を務めるが、棋士番号が若い順に選出されることが決まりとなっている。そうなると、最近プロ棋士になった若手が選ばれることになる。
中村八段は「将棋界では若ければ若いほど、一般的には勉強してるし、鬼の三段リーグを抜けてきたばかりの人ですから、すごい強い人ばかりです」と、試験官を務める棋士の実力について語った。
編入試験は1か月に1回行われるが、西山三冠の場合は女流棋戦や公式戦などがあるため、中村八段は「誰よりも対局してるんじゃないか」。そのため、「西山さんにとって大変なのは、自分だけ棋譜が大量に公開されてる」と指摘した。
一方、試験官を務める棋士は「新四段だから、ほとんど棋譜はないわけですよ。その分析…。研究できる、研究できないっていう大変さはあると思います」。
過去にはアマチュアから編入試験を受けてプロ棋士になった例はあるが、「アマチュアの方の棋譜データっていうのはほとんどないので、プロ側としては対策しづらいわけですけども、西山さんは何百局もある」と話した。
事前に研究できるかどうかは「現代においてはメチャクチャ大きいでしょう。AI使って分析できるわけです」。不利な材料を乗り越えて、西山三冠は女性初の将棋棋士になれるのか? 注目が集まるところだ。