【東スポ音楽館】演歌歌手・北山たけし(50)が日本作詩家協会によるコンテスト「日本作詩大賞新人賞」で新人賞に輝いた「月うるる」(作詞・榛澤洋子/作曲・徳久広司)と「夢追い鶴」(作詞・砂川風子/作曲・徳久広司)をシングルとして昨年11月にリリース。それぞれの曲調の違いを見事に表現している。
――「月うるる」はどんな曲ですか
北山「忘れられない女性を月に重ね合わせて、目に涙を浮かべ、見上げた月も一緒に“うるる”と泣いている。そんな切々とした男心を歌った哀愁演歌です。私も50歳を迎えて、哀愁演歌を歌える年代になったので、哀愁を出していきたいなと思いました」
――作品をもらった時の印象は
北山「審査員の方もそうでしたが、『月うるる』というタイトルが面白いと思いました。作曲の徳久先生が、北山くんは低音がいいから最初の部分が低いけど響きを大事にしたいということで、一小節目の『しまい忘れた 風鈴ちりり』の部分から、かなり低く入っていっています。それでいて、しっかり高い音まで出す曲です。音域の幅が広い曲なので簡単そうに聞こえますが、けっこう歌うのが難しかったりします」
――低音の響きがいい感じですね
北山「7、8年前くらいかな、低音がいいねって言われるようになったので、デビューした時のころとは声質も変わってきているのかなと思います」
――カップリングになった「夢追い鶴」は
北山「この作品も、忘れられない人に思いを寄せる哀愁演歌ですが、こちらは三拍子を刻んだワルツなんです。単純なワルツというよりも三連のリズムも入り、面白い作品です。レコーディングをしていて、心地いいというか、歌っていてクセになる感じでした」
――ソロ活動はもちろんですが、大江裕さんとの「北島兄弟」に、コロッケさんが加わった「北島三兄弟」も始まった
北山「コロッケさんのステージが面白くて、お客さんと一緒に私たちも楽しんじゃっています。師匠(北島三郎)の楽曲をメドレーで歌ったり、ちょっとしたお芝居もあります。コロッケさんは、ステージも工夫されてますし、“今度はこうしてみよう”って常に良いものを求めている。その姿勢が勉強になります」
――北島さんの事務所からのれん分けして2年たちましたが
北山「おかげさまで忙しい日々を送らせてもらっています。いろんな番組に出て、コンサートもやってと、忙しくしていることが師匠への恩返しになっているかなと思っています」