巨人・西舘勇陽投手(22)が20日、ロッテからポスティングシステムを利用してドジャース入りが決まった佐々木朗希投手(23)について「高校から次元が違うなというのは大会とかでも見ていたし、それは思っていた。身近というか、同じ地域の同級生が海を渡ってあっちで頑張るというのはすごいと思う。自分も刺激になる」と敬意を込めて語った。
西舘は高校時代に花巻東(岩手)で春夏3度も甲子園に出場。しかし、3年夏の県大会決勝では同学年の佐々木擁する大船渡に12―2と圧勝して優勝したが、6回途中から登板して4回1失点の好投を見せた西舘に対し、プロ注目の佐々木はコンディションを考慮して登板を回避し、甲子園出場を逃したことで賛否両論の物議を醸した。当時を西舘は「チームとしても朗希が(登板して)くると思って対策はしていたし、先発が違った時点で先制して逃げ切ろうと思っていた」と振り返った。
3月15日に巨人は、佐々木や大谷翔平投手(30)、山本由伸投手(26)擁するドジャースとのプレシーズンマッチ(東京ドーム)があり、高校時代は幻に終わった西舘と佐々木の投げ合いが実現する可能性もある。「まず自分が一軍いないといけない」と気を引き締めた。佐々木の存在を「高校の時はああいう選手がドラフト1位になるんだなと思ったし、自分が大学生(中大)の時もプロの世界で完全試合(オリックス戦)とかやっている。今でもすごい遠い存在というか、本当にすごい投手」と最敬礼する。
さらに同じ花巻東の大先輩・大谷についても言及。西舘は「翔平さんは高校の先輩ですし、試合前にあいさつに行かないといけない。日本で見られるという機会もそうそうないし、もし対戦できる機会があるなら、すごい光栄なこと。普通にうれしいですね」と目を輝かせた。
この日は川崎市のジャイアンツ球場で自主トレを敢行。室内練習場ではブルペン入りし、新球ツーシームを含むすべての持ち球を投げるなど精力的に汗を流した。昨季はリリーフでの起用が中心だったが、2年目の今季は「1年間を通して投げる上でこの時期は、一番は土台づくり」とシ烈な先発ローテーション争奪戦を勝ち取るつもりだ。
その開幕前に高校時代は投げ合うことがかなわなかった西舘と「令和の怪物」との〝因縁の対決〟は見られるか――。