5月に現役を引退する女子プロレス「マリーゴールド」の自称〝女子プロ界の人間国宝〟こと高橋奈七永(46)が、スーパールーキー・山岡聖怜(せり=18)を自身の後継者に指名した。
19日の後楽園大会で2人はツインスター王者の〝大怪獣〟ボジラ&〝大恐竜〟タンクに挑戦。激闘の末、最後は聖怜がタンクにジャーマンスープレックスを決めて3カウントを奪った。高橋は「この団体の最年長と最年少の私たちで、上からも下からもマリーゴールドに圧をかけ、選手の層を厚くしていく。容赦なく潰していくのでみんな脅威に感じた方がいい」と全方位に予告した。
昨年8月の入門時から異例のスピードで成長し、デビュー5戦目でタッグの頂点に到達した聖怜を絶賛しつつ課題も課す。「私がいなくなった後も団体を引っ張る存在になってほしいし聖怜はまだまだ上に行ける。なので受け身をたくさん取って、もっと体の厚みが出せるように。そして試合中も声を出すのにまだ遠慮があるから、私がパッションを叩きこむ。最終的にはパッションそのものになって、パッションさんに改名してもらう」とナゾ指令を発動だ。
タッグ王者として後輩に思いを託しながらも、引退までに個人でもやるべきことがある。31日の東京・後楽園ホールで開催される「ジャイアント馬場没25年追善~太陽ケア引退試合~」では、戦友で4月に引退するセンダイガールズ・里村明衣子との一騎打ちが決定。かつてスターダムのワールド王座を争い、同時期に女子プロレス界をけん引してきたライバル対決の集大成になる。
高橋は「同じ時代を生きた里村さんと引退の時期もかぶるなんて運命的。デビュー前から意識してきた里村さんにはこれから先、試合はもちろん死ぬまでどっちが輝き続けられるかをずっと競っていきたいですね。ひとまず最後のシングルになるかもしれないので、あの侍に勝ってやりますよ」。人間国宝の引退ロードから目が離せない。