【女子ボートレーサー・インタビュー 上田紗奈(28=大阪)後編】
――初勝利は2020年2月23日。びわこ男女W優勝戦の2日目5R、4コースからまくり差して1着
上田 夢心地じゃないですけど、パニックみたいな状態で終わったみたいな感じでしたね。
――初勝利よりも思い出深いレースがある
上田 クビになりかけた期。点数がかかり出して1期目に全然点数が取れなくて「クビになるかも」と師匠の夏山亮平さんに相談しに行ったことがあったんです。
――デビュー3年後から4期通算勝率が3・80以下になると引退勧告を受けてしまう。2018年11月にデビューした上田選手は、3年が経過した2021年11月から4期通算勝率も意識しなければいけなくなったが、同11月から2022年1月31日の3か月の勝率が3・73と思うように成績が伸びなかった。
上田 その時、相談に乗ってもらって次の節で取れた1等があるんです。あそこで結構、自分の中で変わったなあというのはあります。
――2022年3月のGⅢ津オールレディース初日5R、2コースから道中逆転で1着
上田 あのレースは今までと違う感じでレースに行けて、結果につながったという感じがしました。師匠が直前に津で走っていた大阪の先輩の渋谷明憲さんを呼んでくださって「紗奈が次、津に行くから教えてやってくれ」と…。それでゲージを持たせてもらって行って、渋谷さんが乗ったエンジンをそのまま引いて、結果につながっていきました。
――メンタル面の変化も大きかった
上田 結局、面倒を見てもらいながら支えてもらって一節間、安心して行けたし、強気に行けると思いました。どうなっても大丈夫だと思いました。クビにならないように助けてくれるって人がいるんだから、私も強気に頑張ろうってなった気がします。気持ちを切り替えることができた。ターニングポイントだったと思います。
――師匠の指導は
上田 「好きにやれ」と言ってくれています。「のびのびやれ」「お前が思うようにしてこい」「何か言われたら俺が一緒にあやまってやるし、戦ってやる」。こんなことを言われています。おかげで安心じゃないですけど、のびのび楽しくレースができている、と思います。兄と師匠、2人がいてくれれば安心です。
――師匠との約束は
上田 2023年8月の蒲郡W優勝戦でデビュー初優勝をしましたが、選手をやめるまでにもう1回、優勝すると、師匠と約束しました。
――プライベートは
上田 旅行とかですね。最近は月に1回、どこかしらに旅立っています。海外も好きですし、国内もいろいろ行っています。温泉もよく行きます。そこで、気分転換をしています。
――ファンのみなさんにひと言
上田 私は舟券的に買いにくいとは思うんですよ。すごくムラがあるので…。それでも買ってくださる方がいるのがありがたくて。ちゃんとコンスタントに勝てる選手になるので、見守っていてください。