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トランプ大統領がゴキゲン就任式「掘って掘って掘りまくれ!」 パリ協定から再離脱

東スポWEB 2025年1月21日 11時37分

昨秋の米大統領選を制したドナルド・トランプ氏(78)は20日(日本時間21日)、首都ワシントンの連邦議会議事堂で開かれた就任式で宣誓し、第47代大統領の座に就いた。式には通例なら“あり得ない”他国首脳を含めて、「GAFA」と称されるIT企業トップ、格闘家やグラミー賞歌手らがズラリ。異例の返り咲き大統領は「ドリル・ベイビー・ドリル!(石油など資源を)掘って掘って掘りまくれ!」などと演説でも不敵な“トランプ節”に終始した。

演説冒頭で「クリントン、ブッシュ、オバマ、バイデン」と出席した歴代大統領と大統領選で争ったハリス副大統領の名を挙げたトランプ氏。先達らへのリスペクトを示すのかと思いきや、「アメリカの黄金時代は今から始まる」と、これまでの政権を評価しないかのように言い放った。

返す刀でバイデン前政権の4年間で米国は衰退したと批判し「今日から全てが変わる。米国の完全な復活と常識の革命が始まる」。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からも再離脱し、温室効果ガスを排出する石油などについて「ドリル・ベイビー・ドリル!」とお決まりのフレーズで掘削を促した。

全体を通じて持論とする「メーク・アメリカ・グレート・アゲイン(米国を再び偉大に)」調で貫かれた就任演説。「2025年1月20日は解放の日となる」「火星に星条旗を立てる」「パナマ運河を取り戻す」「メキシコ湾をアメリカ湾と呼ぶ」などこれまでの主張や政策を並べ、自画自賛と前政権批判が続いた。

地位返り咲きに加え、不倫口止め料支払いにまつわる不正会計の罪に問われた裁判判決で、異例の“有罪大統領”に。そんなトランプ氏の晴れの場は、氷点下の寒さを考慮して1985年のレーガン政権2期目以来となる議事堂屋内での開催となった。これまた異例ながら、出席者も従来なら見られない肩書の人たちが祝福に訪れた。

会場では、「アルゼンチンのトランプ」ことミレイ大統領とイタリアのメローニ首相がはしゃぐような姿も。就任式は各国駐米大使の出席が恒例とされる。習近平国家主席が招待された中国は、韓正副主席、日本も岩屋毅外相を送り込んだ。

さらには、市場独占や情報管理などを巡って政府とのあつれきが少なくない「GAFA」を構成するIT企業トップもいた。メタのマーク・ザッカーバーグCEOやアマゾン創業者ジェフ・ベゾス氏、アップルのティム・クックCEO、グーグルのスンダー・ピチャイCEO…。一部企業は就任式に寄付もしており、トランプ氏にひれ伏した感も漂わせる。

格闘技団体UFCのダナ・ホワイト社長は、トランプ氏を大統領候補に選んだ共和党大会にも顔を見せるなど、関連行事の常連と化している。この日は、元世界王者マイク・タイソンと昨年対戦したプロボクサーのジェイク・ポールとその兄でユーチューバーのローガンも出席した。

恒例の米国歌はテノール歌手クリストファー・マッキオが歌った。4年前のバイデン大統領の時はレディー・ガガがその役を担った。愛国歌「アメリカ・ザ・ビューティフル」はカントリーのグラミー賞歌手キャリー・アンダーウッドが歌唱した。

ご機嫌のトランプ氏は就任演説の約30分間では話し足りなかったのか、その後に支持者を前にした場では1時間近く話し続けた。

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