小林製薬の山根聡社長が21日、オンラインで行われた「報道関係者向けオンライン記者会見」に出席し、自身の退任を発表した。
同社の紅こうじの成分を含んだサプリを摂取した消費者に重篤な健康被害があったとされる問題を受けて、3月の定時株主総会をもって山根社長が退任し、後任に豊田賀一執行役員が昇格する予定とした。
人事について、山根社長は「以前から検討を進めておりました」と言い、自身の退任を決めた時期について「8月8日の記者会見の時に私の中で『ケジメをつける時が来るだろうな』と思っていた。最終的に(退任を)決めたのは11月末です」と明かした。
また、同社の株を10・1%所有する株主の香港投資ヘッジファンド「オアシス・マネジメント」が、昨年12月に「取締役3人の追加選任と紅こうじ事件の原因や対応を検証する調査者の選任」、「会社に与えた損害の賠償として約110億円を求め、前会長らを提訴」を提案していた件には反対すると話した。
一方、株主の権利を守るとし、オアシスが求めていた臨時株主総会の開催については「2月19日に開催する。株主提案である『取締役3名選任の件』の議案が付議される予定であります」とした上で、委任状争奪戦になることついて「株主さまにしっかり説明し、ご理解をいただくことに力を尽くしたい」とコメントした。