ついに重鎮まで言及して今後の影響は――。
日本バスケットボール協会(JBA)の前会長・川淵三郎氏(88)が21日、米プロバスケットボールNBAレイカーズの八村塁(26)によるJBAや男子日本代表のトム・ホーバス・ヘッドコーチ(HC=57)への批判に対して苦言を呈した。
昨年11月に八村は、JBAに対する持論を展開して波紋が広がった。川淵氏はこの日、都内で行われたJBAの改革を主導するタスクフォース会議後に会見し、八村問題に関して初めて言及。「日本協会の理事会で決まったHCがダメだというのは、協会の決定を無視して何を言ってもいいのかと思った。だから、許されるものではないというのが僕の考え。断固許せない話」と強い口調で断じた。
川淵氏は、この問題に関する発言が今回のタイミングになった理由について「あの発言があった後、多くの取材が来たが、言葉足らずで批判されるのも何だと思って一切コメントしなかった」と説明した。現状は、ことの重大性を認識したJBAが「ミスコミュニケーションがあった」との認識を踏まえ、事態収拾に着手し始めた段階だ。
NBAシーズン中の本人とコンタクトは取れていないが、近く協会の担当者が渡米して八村のマネジメント事務所と話し合いを行う予定。そんな中での川淵氏の苦言に、プロスポーツ選手を抱えるマネジメント会社幹部は「八村選手側に、川淵さんの発言が、協会の考えとしてとらえられる恐れもある。態度を硬化させてしまうのでは」と懸念する。
川淵氏は「個人の意見」と強調したが、海の向こうまで真意が伝わるかは定かではない。和解の障害にならなければいいが…。