東京・浅草の路上で「服に虫が付いている」などと声をかけ女性の胸を触り、不同意わいせつの罪に問われた中国籍の張偉雄被告の公判が21日、東京地裁で開かれた。被告人質問では帰国してしまえば捕まらないと思ったと話すなどお粗末過ぎる主張が述べられた。
起訴状などによると張被告は昨年6月に浅草の仲見世通りで、女性に「服に虫が付いている」などと声をかけて、女性の服の中に手を入れて乳房を触った疑いが持たれている。この日は別の女性に対する同様の犯行で追起訴もされ、張被告は「間違いありません」と認めた。
「昨年6月の逮捕時に中国メディアで報じられると、中国のSNSでも『恥さらし』などと炎上し、中国国内でも注目を集めました」(中国事情に詳しいジャーナリスト)
被告人質問では、張被告の口から身勝手な言い分が繰り広げられた。張被告は驚くことに婚約者と観光旅行中に犯行に及んでいたのだ。犯行の動機については、仕事のストレスと借金があり「ストレス発散のためにやった。やると仕事でのつらいことを忘れることができる」と説明。また日本への観光旅行は彼女の誕生祝いで来たが「旅行をすることでお金が減るので、それがプレッシャーだった」とも述べた。
被害者には「許してもらえない傷を与えてしまった。謝ります」と謝罪。一方で裁判長から「帰国したら捕まらないと思ったか」と問われると張被告は「そういう気持ちもあった」と甘い考えだったことを認めた。
張被告は6月の犯行翌日に帰国。10月に日本に再入国した際に逮捕され、3か月以上勾留されている。「私の家族や彼女を失望させてしまいました。もう二度としません」と後悔を口にし、うなだれた。
検察は再犯の恐れがあるとして懲役3年を求刑。判決は今月29日に下される。