ノアのGHCヘビー級王者OZAWA(28)がプロレス界の〝世直し〟を宣言した。1日の日本武道館大会で清宮海斗(28)を撃破し、キャリア2年4か月で団体最高峰王座獲得という史上最短記録を達成。清宮のプライベートを暴露するという前例のない手法で成り上がったダークヒーローだが、その根底にはプロレス界の体質への疑問・怒り・そして反骨心がある――。
清宮の喫煙写真や色恋沙汰をSNS上で暴露するという前例のない手法で王座戦を煽ったOZAWAは、一発でベルトを奪取した。
試合中には団体のエースにブーイングが飛び、無法挑戦者が支持を集める〝逆転現象〟も発生。OZAWAは取材に対し、「あれが民意。清宮海斗へというよりは、プロレスリング・ノアに対してのブーイングだったのかなと。今までのクソつまらない感じがそろそろ変わってほしいっていう意味の。アイツがトップにいることで、客も来ないし面白くないっていうのは、結果として出てたわけだから」と不敵に解説する。
もっとも、王者としての責任感といった類いはこの男には皆無だ。「俺が変えていくんだ、みたいなことはまったく思ってない。これからもやりたいことをやるだけだし、大義なんてものもない。ムカつくヤツをひたすらバカにして、今までの恨みを晴らしていくって感じだな」とニヤリ。暴露の標的が清宮以外に及ぶ可能性についても「全然あるよ。ムカつくヤツはムカつくでしょ。俺が恨み、怒りを持っている人間には徹底的に行こうかなって」と言い放った。
傍若無人な振る舞いの奥底には、業界へのアンチテーゼがある。OZAWAは「練習生の時から、プロレス業界特有の上下関係とかめちゃくちゃ嫌いで。自分の好き嫌いで仕事するヤツばっかりだし。こんなクソつまらない業界に早く恨みを晴らしたいなという怒りだけで続けてきた」と証言。
「プロレス界だけが昭和のまま時が止まってる。そもそもスクワット500回とか1000回とかやる意味ねえし。デビューしてから、あの経験が生きた瞬間なんか1回もないぞ。ジャンプ力が上がるわけでもないし、ただヒザを痛めて…意味のないことが多すぎるだろ」と持論を展開した。
止まらないOZAWAは「業界全体が時代遅れだからプロレス知らない人がどんどん増えてるし、新規を開拓できてねえなって。このままじゃそもそもプロレスラーになろうって人間も出てこなくなるじゃないか」と問題提起する。
「俺が頭いいとは思わないけど、ちゃんと考えられる人間が増えたら、下の人間が言いなりになるしかない体質が変わったらいいなと。世直しみたいなもんだ。若い選手が全員弾けられたらいい方向に進むと思うよ」と呼びかけた。
自由気ままに生きるためには、手段も言葉も選ばない。〝暴露系レスラー〟は業界の革命児となれるのか、注目だ。