トランプ大統領が21日、ホワイトハウスで記者会見し、5000億ドル(約78兆円)のAIインフラプロジェクト「スターゲート・プロジェクト」を発表した。大統領就任2日目の公約は、AIを通してがんを治療することだった。
ソフトバンクグループ(SBG)、対話型生成人工知能(AI)「チャットGPT」を開発した米新興企業のオープンAI、米IT大手オラクルの3社が中心となって、合弁会社「スターゲート」を設立し、生成AI分野に今後4年間で5000億ドルを投資する計画となっている。
記者会見には、SBGの孫正義会長兼社長、オープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)、オラクルのラリー・エリソン会長が同席した。
トランプ氏は「AIは非常に注目されているようだ。多くの賢い人々が注目しているようだ。黄金時代になるだろう」と話した。孫氏は「人工の超知能は、人類が解決できるとは決して思っていなかった問題を解決するようになるでしょう」と胸を張った。
そして、エリソン氏は「私たちが取り組んでいる最もエキサイティングなことの一つは、再びサムとマサヨシが提供しているツールを使って、がんワクチンを開発することです。血液検査結果をAIで分析することで、がんを早期発見することができます。つまり、AIを使ったがん診断は、単純な血液検査で済む可能性があるのです。がん腫瘍の遺伝子配列を決定したら、その人にワクチンを接種することができます。がんに対するワクチンを各個人に設計するのです。このmRNAワクチンは、これもAIを使ってロボットで約48時間で作ることができます」と説明した。
IT事情通は「これは医療という人類の最重要課題に対処する上でAIが極めて重要な役割を果たすことになります。これを機に、政策や国家安全保障などにもAIが導入されるかもしれません。AIの急速な発展により、プライバシー、偏見、テクノロジーの潜在的な悪用に関する倫理的懸念が生じます。スターゲート・プロジェクトは、単なる技術的な取り組みではなく、人類の進歩を推進する野心を証明するものとなるでしょう」と指摘している。