フジテレビは23日午後5時30分から、芸能界を引退した中居正広の女性トラブルに関する一連の問題について、同局内で「社員説明会」を開催した。本来なら非公開である社員向けの説明会内容を、同局系ニュース番組「Live News イット!」(午後3時45分)が〝異例の生中継〟。社員からはフジサンケイグループ代表で、フジテレビ取締役相談役の日枝久氏を含めた上層部の総退陣要求まで飛び出し、会場から拍手が起きたという。
同局を巡っては、昨年12月に中居の女性トラブルが報じられ、幹部社員の関与が指摘されたほか、17日に港浩一社長が行った会見も、メディアに限定した閉鎖的な形を取ったことで批判が集中していた。
この日、フジテレビを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングスは臨時取締役会を開き、第三者委員会の設置を決定。27日午後に記者会見することを発表した。フジ・メディアHDの金光修社長は「3月末までに調査報告書を出す」「27日のフジテレビとしての会見はオープンな形で」と明言した。
同局内で行われた社員説明会には、嘉納修治会長と港社長らが出席。500人以上が集まり、オンラインで視聴した社員もいた。
港社長は「一般感覚の著しい欠如があった」として謝罪。メディアを限定し、映像撮影も許可しなかった17日の閉鎖的会見について、「報道の立場であり得ないことをした」「終わって失敗したと思った」「時間ない中で慣れている定例社長会見を前倒しでやる立て付けでやってしまった」などと謝罪を重ねた。
さらにこの模様の一部を同局の報道番組「Live News イット!」が「番組の判断」として〝異例の中継〟。「この問題に対するフジ上層部の稚拙な対応を見て、報道局はブチ切れ状態です。当初、上層部はあまり触ってほしくないという意向でしたが、報道局は数日前に覚悟を決めて徹底的に自社の問題を追及しています」(フジ関係者)
フジの労働組合が港社長に提出した23日付の意見書には、「社内では満足に営業活動や番組制作を行うことが出来ない状況が続き、社内の切迫感は極限状態」とつづられている。真っ先に「日枝久取締役相談役、嘉納修治代表取締役会長、港浩一代表取締役社長の出席を伴う会見の実施を遅くとも今週中に発表、1月27日(月)には実施すること」と要求し、あらゆる媒体の出席や動画撮影の要望を拒まないことなども求めた。
午後5時30分から4時間30分に及んだ説明会は怒号や拍手が飛び交い、涙して訴える社員もいるなど〝社内総決起〟の様相を呈していたという。フジ社員の話。
「説明会の様子から港社長が辞任する流れは間違いないだろうが、〝日枝体制〟が一新されなければフジの立て直しはないのはみんなわかっている。だからこそ日枝相談役を含めて退陣を求める声が飛び出し、それに拍手が起きていた。これまでは考えられなかったが、社員の中には『倒産するのでは』と口にするほど危機感がある」
現在もCM差し替えが相次いでいる。一般的にCMの差し替えは、企業側へのCM広告費の返還はないが…。
「中居さんの女性トラブルをスポンサーに隠ぺいしてきたこともあり、一部のスポンサー企業から返金要求がある。返金作業に追われており、このままなら100億円単位の減収も想定される。上層部の総退陣を求める声が多い」(同)
くしくも、社会学者の古市憲寿氏は、23日放送の同局系「めざまし8」で、「フジテレビに出れなくなってもいいから言うんですけど」と前置きし、「やっぱりフジサンケイグループ代表の日枝さん中心とする経営陣が一回全部どいてもらわないとこの問題は収束しないと思う」と決死の提言。上層部に対する社内外からの退任圧力は日に日に高まっている。