パリ五輪の卓球女子シングルス銅メダル・早田ひな(24=日本生命)は〝秘密兵器〟で弱点を補っている。
一般的に重心が後傾しやすく、スポーツの基本であるつま先体重で動くことが難しい偏平足を持つ早田は、10代の頃に足のケガで思うようにプレーできない時期が続いた。そこでアドバイザリー契約を結ぶファイテン社は、早田との話し合いを重ねる中で「通常は足の裏にアーチ(土踏まず)があるので衝撃が吸収されるが、早田選手はアーチに悩まされていたので負担がかかりやすかった」と分析。かねて販売していたアーチの崩れを防ぐ独自構造の5本指の独自ソックスを提供したという。
細かいステップなどの動きが求められる卓球において、偏平足の早田と5本指ソックスは相性が抜群で「このソックスがあるからいいボールを打てる」(早田)と太鼓判を押すほどだ。23日の全日本選手権4回戦(東京体育館)では下半身を使った強打などで加藤亜実(十六フィナンシャルグループ)を4―1で退けた。
今大会は史上6人目の3連覇の懸かる一戦。パリ五輪で痛めた左腕の影響の状態は「何%かわからない。途中棄権がなくもない」としながらも「どうやって勝つかを考えて最後までやり切りたい」ときっぱり。不安要素を安定した下半身で乗り切ってみせる。