ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王座戦が24日、東京・有明アリーナで行われ、4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)が挑戦者のWBO同級11位・金芸俊(キム・イェジュン、32=韓国)を4回2分25秒KOで破り、防衛に成功した。
モンスターが2週間前に決まった代役挑戦者を危なげなく退けた。初回は様子見の静かな立ち上がりだったが、2回からは次第に井上のパンチが着弾する場面が増えていく。金も独特なリズムで繰り出すパンチを2、3度とヒットさせた。だが、それも長くは続かず、4回に入ると井上が攻勢を強め、最後は左ボディーで動きを止めると連打を浴びせ、強烈な右ストレートでダウンを奪い、勝負を決めた。
当初の挑戦者でIBF・WBO同級1位サム・グッドマン(オーストラリア)の2度の負傷により、1か月の延期と相手変更というトラブルに見舞われた一戦。海外ブックメーカーのオッズは井上勝利が1・02倍に対し、金勝利が15倍と圧倒的優位だった。
昨年にサウジアラビア最大のエンターテインメントイベント「リヤド・シーズン」と30億円規模のスポンサー契約を結んでからの初戦。その先に計画される米国ラスベガスとサウジアラビア進出へ、絶対に負けられない重圧のある戦いでもあった。
そうしたプレッシャーもものともしなかった井上は、リング上でカード変更にもかかわらず詰めかけたほぼ満員の観衆と、代役を引き受けた金に感謝。被弾したことに「対戦相手が変わり、対策不足というところもあり、リングの上で確認しようかなという思いからの戦いでした」と反省しつつも「内容的にはよかったと思います」と満足顔だった。
そして、井上と契約する米大手プロモーター、トップランク社のボブ・アラムCEOがリングに上がり「日本という偉大な国の井上尚弥という偉大なチャンピオン。日本は大谷翔平(米大リーグ・ドジャース)という素晴らしい選手をロサンゼルスにもたらしてくれました。今年の春、井上尚弥をラスベガスにもたらしていただければ。1試合楽しみにしていてください」と観衆に明言した。
これに井上も「今年の春、ラスベガスで試合をしたい」と呼応。「ラスベガスとサウジアラビアと、海外の試合を目指していますので、今後とも期待していただけたらと思います」と、本格的な海外進出を宣言した。