ここまで崩れるとは…。大相撲初場所13日目(24日、東京・両国国技館)、大関琴桜(27=佐渡ヶ嶽)が、優勝争いで単独首位を走る幕内金峰山(27=木瀬)に一方的に突き出されて負け越しが決定。来場所は初のカド番で臨むことになった。取組後は取材に応じず、沈黙を貫いた。
先場所は14勝1敗の好成績で初優勝。今場所はV逸でも、成績次第では横綱昇進の可能性があった。しかし、2日目から5連敗で綱取りに失敗。今度は大関陥落の危機が忍び寄っている。父で師匠の佐渡ヶ嶽親方(元関脇琴ノ若)は、今場所の琴桜の〝異変〟についてこう指摘する。
「見えない重圧でしょうね。(頭では)自分がやらなきゃいけないことは分かっているんだけど、体が動いてくれない。相撲が守りに入っている。本人も場所前に『まだまだ自分には足りないところがいっぱいある』と言っていた。その足りない部分を感じてるのでは」
もちろん、今回限りで横綱への挑戦が終わるわけではない。師匠は「本人とも話をした。『先代(祖父の横綱琴桜)も苦しんだ時期があった。でも、この試練を乗り越えてこそ、もう一つ上が見えてくる』と…。これが横綱であれば、連敗したら休場か、あとはもう引退しかない。それを考えたら、精神力を強く持っていかないといけない。本人も分かっている。苦しんだぶん、成長できると思う」と力説した。
先代琴桜は、大関で初優勝した翌場所に途中休場。大関から横綱に上がるまでに5年あまりを要した。2代目は横綱への挑戦権を取り戻すことができるのか。大関としての真価が問われている。