通常国会が24日召集され、初日恒例となる超党派の「和装振興議員連盟」に所属する議員が紋付き袴や着物姿で登庁した。与野党の議員が同じ場に集まっての〝一時休戦〟となった。
和装議連は和服文化の振興などを目的に通常国会初日に和装姿で登庁している。昨年は自民党の裏金問題や年初に発生した能登半島地震、羽田空港衝突事故などがあったことで、和服姿の議員は激減したが、今年は盛況となった。
天皇陛下を見送った後に行われた国会議事堂をバックにしての撮影会に参加したのは、自民党の野田聖子衆院議員、稲田朋美衆院議員、片山さつき元地方創生相、鈴木貴子衆院議員、松川るい参院議員、立憲民主党の泉健太前代表、笠浩史国対委員長、塩村あやか参院議員、日本維新の会の前原誠司共同代表、石井苗子参院議員、参政党の神谷宗幣代表、NHK党の斉藤健一郎参院議員、無所属の鈴木宗男参院議員ら約70人。
センター近くに陣取ったのは西村康稔元経産相。裏金問題で昨年4月に自民党から1年間の党員資格停止処分となっているが、衆院選では無所属で当選し、和装議連の古参メンバーでもある。国会論戦では西村氏や裏金議員を追及していた野党議員もいたが、この場面で「一緒に写りたくない」と拒否する議員は現れることなく、与野党の議員が仲良く一緒の写真に納まった。
和装議連の会長を務める野田氏は「(与野党の議員が参加して)どの人が野党とか分からなくなりますよね。これから求められる政治っていうのは主義主張で対立する余裕がない。急激な人口急減の中で、どれとどれを持ち合えるかっていう。そういう機会に恵まれなかったが、今回、自民党が少数与党ということで、国民にとってプラスになる政治ができるといい」と和装議連のように与野党の垣根を取り払っての〝共闘〟を訴えた。
通常国会の焦点は来年度予算案を年内に通過できるかどうかになる。石破茂首相はこの日の施政方針演説で、堺屋太一氏の言葉を引用して、「楽しい日本」を提唱したが、野党席からはブーイングが起こった。やはり国会運営は呉越同舟とはいかないようだ。