フジテレビの命運を決める再会見が27日午後に開かれる。
出席者はフジテレビジョン代表取締役会長の嘉納修治氏、株式会社フジテレビジョン取締役副会長の遠藤龍之介氏、同局社長の港浩一氏、フジ・メディアHD代表取締役社長の金光修氏の4人。フジサンケイグループ代表で、強い影響力を持つ日枝久相談役の名前はなかった。
港社長が17日に行った初回の会見は取材メディアを絞り、動画撮影もNG、情報解禁時間も指定するなど〝閉ざされた〟会見だった。
今回は参加メディアの条件を大幅に緩和し、質疑応答も極力受け付ける。世間に改心ぶりをアピールし、スポンサー離れに歯止めをかけたいところだ。
しかし、すでに出席メディアの一部からは「期待薄」と言わんばかりの声が漏れ伝わってくる。
というのも、フジは一連の問題を調査するため第三者委員会を設置。3月末ごろに結果を公表するとしている。この第三者委員会が〝強力な盾〟になりそうなのだ。他局ディレクターの話。
「厳しい質問には『その件につきましては、第三者委員会の方で…』と返す場面が出てくると思う。再会見したものの、消化不良に終わるのではないか」
すでに第三者委員会を言い訳にした〝回答拒否〟は、24日に行われたフジ社員に対する説明会でも飛び出している。一連の問題で〝核心〟となるのは、一昨年6月に中居正広と女性局員のトラブルが発生したあとも、中居をレギュラー番組に起用し続けたことにある。これについて、港社長は「唐突に終了することで臆測が生じることを懸念し、慎重に終了のタイミングを図っておりました。女性のプライバシーを守ること、体調面の配慮、中居氏側の認識、示談が進んでいたことなどから、番組については難しい判断がありました」と回答。
百歩譲ってそれはいいとして、どうにも理解できないのは、トラブルを把握したあとも中居を単発のスポーツ特番に起用していたことだ。この点について、先の説明会で社員から追及された。
「去年、パリ五輪の月の特番であったり、大谷選手の9月の特番であったり、はてはワールドシリーズにも中居さんを起用しています。どうして、そういったキャスティングに関して、ストップがかからなかったのか」
「松本(人志)さんの不祥事が出た時に、止めるタイミングがあったのに、なぜやめなかったのか」
これに経営陣は「難しい判断が何個もありました。これは第三者委員会に関わることなんで。逃げてるわけではない。しっかり調査してもらって、間違っていたという判断でしたら申し訳ないです。この場ではこれ以上はすいません」と答えたという。
ここが騒動の〝急所〟なのか。27日の再会見でもこの点について聞かれることが予想される。第三者委員会の〝悪用〟だけは避けなければならない――。