昨年末で39年の現役生活にピリオドを打った小林覚さん(62=神奈川)が26日、川崎競輪場で引退報告会を行い、100人を超えるファンの前で「まだまだやりたいと思っていたけど、今ではやり切ったという気持ちになっています」などと話した。また「辞めてすぐに何もしないと体に良くないので、まだちょっと鍛えています」と近況を明かし、張りのある体でスーツははちきれんばかりだった。
1985年9月に花月園競輪場でデビューし、昨年12月川崎の最終日でのラスト白星まで通算294勝をマーク。91年9月のオールスター競輪(高松)では優出も果たした。なかでも記憶に残るレースとして89年青森でのS級初Vを挙げ「神山雄一郎君を破っての優勝で一番、思い出に残っている」と感慨深げに話した。
引退報告会にはサプライズで川崎所属の9選手が駆けつけた。地区長の福田知也は「場を和ませてくれる先輩で、競輪道を最後まで貫いた」と言って声を詰まらせ、三住博昭は「お風呂での背中流しに加えて保湿係がいて、通常の3倍ぐらいの保湿ローションを塗ってもらっていた」と裏話を披露。涙あり、笑いありのステージとなった。