卓球女子でパリ五輪代表の張本美和(木下グループ)の目には大粒の涙が光っていた。
初優勝を懸けた全日本選手権(26日、東京体育館)の決勝では、エースの早田ひな(日本生命)に0―4で敗戦。第1、2ゲームを落とし、第3ゲームはジュースの末に11―13で奪われる。第4ゲームも流れをつかむことができなかった。試合後には「悔しい気持ちもないと言ったら違うし…」と目を潤ませながら「今年の全日本は去年とは違った気持ち。今日は負けて悔しい気持ちの方が多い。実力が足りないんだなと感じた」と肩を落とした。
前回大会でも決勝で早田にストレートで敗れた。「何回やってもやっぱり強いなという印象。やっぱりリードしていても、逆に挽回されたから今日負けたというよりは、全体的な実力が相手より足りていないと感じた」と顔をしかめつつ「今日もだが、昨年はやっぱり2位が多かったので、優勝したい思いがあった」と吐露した。
日本一の座には届かなかったが、まだ16歳と伸びしろはたっぷり。涙の数だけ強くなる。