フジテレビが主催する「第49回大相撲トーナメント」(2月9日、東京・両国国技館)のスポンサー3社が特別協賛、協賛をそれぞれ辞退したことが27日、分かった。3社が取材に認めた。元タレントの中居正広氏(52)の女性トラブルをめぐるフジの対応を受けての措置。〝フジ離れ〟が同局のスポーツ事業に波及したのが明るみに出たのは、これが初めてだ。
「フジテレビは放送局の体(たい)を成していない」
大相撲トーナメントのスポンサー3社のうち1社の担当者の口調は厳しかった。これがフジのあらゆるスポンサーの総意といっていいだろう。
中居氏は2023年6月、食事会で女性X子さんとの間にトラブルを起こし、示談金を支払った。食事会のセッティングに関与したのがフジ幹部A氏とされた。
フジは昨年12月27日の声明、今年1月17日と27日の記者会見のすべてでA氏の関与を否定。ただ、歴代のフジ幹部が女性アナウンサーを接待要員にしていたと一部で報じられている。報道機関で時に取材相手を厳しく追及しながら、17日の記者会見で一部メディアを締め出した。
コーポレート・ガバナンスを問われる一連の対応は批判を招き、フジの番組のCMが次々とACに差し替えられている。
事情を知る関係者の話。
「今月中旬ごろから大相撲トーナメントのスポンサー3社が辞退したとの情報が流れています。フジ離れが加速している感があります」
大相撲トーナメントはフジの主催で今年の第49回は2月9日、東京・両国国技館で開催される。Skyが特別協賛、日清オイリオグループ、MIRARTHホールディングスが協賛だった。
27日午後の記者会見を前に3社に辞退は事実かと取材すると、Skyは「一連の問題を受け、特別協賛を辞退いたしました」、日清オイリオは「第三者委員会による調査の事態推移を見守る間につきましては、(フジ)主催イベントへの協賛を控えます」、MIRARTHは「一連の報道内容を総合的に判断し、当大会への協賛に関して辞退することを決定しました」とそれぞれ認めた。
大相撲トーナメントは毎年2月、両国国技館で開催され、フジ系で放送される。本場所と異なり、負ければ終わりのトーナメント戦で、同部屋対決が実現するケースもある。これまでの優勝力士は北の湖、千代の富士、曙、貴乃花、朝青龍、白鵬らといったその年を代表する顔ぶれがズラリ。昨年の第48回は豊昇龍(25=立浪)で、今年初場所を制して27日、横綱審議委員会の推薦で横綱昇進が確定した。
近年では11年の第35回大会が八百長問題により、21年の第45回、22年の第46回がコロナ禍により、それぞれ開催中止された。
勧進元のフジの問題を受け、同局内では目前に迫った第49回について「開催中止もあり得るのでは」と心配する声が上がる。