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フジテレビ労組がストライキ断行か ドン・日枝久相談役の〝会見出席〟求めた意見書スルーで怒り充満

東スポWEB 2025年1月29日 5時13分

フジテレビが元タレントの中居正広氏(52)の女性トラブル対応を巡って27日、都内の同局で開いた記者会見では〝フジのドン〟日枝久氏(87)が出席せず、報道陣から厳しい質問を浴びた。フジ社員たちは怒りが収まらない状況。組合員数が急増したフジ労働組合は、日枝氏の辞任を求めてストライキも辞さない構えだという。

フジが27日に開いた記者会見は、10時間半にも及んだ。一夜明けた28日放送のフジ系「Live News イット!」によれば、港浩一社長(当時)ら経営陣は報道陣から500超の質問を浴びせられ、フジサンケイグループ代表でフジ取締役相談役の日枝氏に関する質問は42で、4番目に多かった。同氏はフジの企業風土の礎を作ったといわれ、〝フジのドン〟として君臨。その影響力は社内外に及ぶ。

フジ労組は23~24日、2度にわたり、日枝氏が27日の記者会見に出席して説明責任を果たすことを求めた意見書を提出したが、同氏は出席しなかった。迎えた記者会見では報道陣から「なぜ出席しないのか?」と聞かれ、港氏らは答えに窮す。日枝氏について「責任を取らないのか? 辞めると言わなかったのか?」と追及されると、遠藤龍之介副会長は「個別の局面でどういう会話があったかについては控えるが、それぞれの出処進退について、かなり濃厚な話をした」とかわした。

フジは17日、港氏らが定例会見を前倒しする形で記者会見を開き、記者クラブ加盟社以外のメディアは参加できなかった。その上、動画撮影も禁じるなどしたため批判を浴びた。23日に開いた社員向け説明会も紛糾した。社員が「日枝さんを含め、役員総退陣を求める」と涙ながらに訴える場面もあったという。

社員の不満は労組にも表れている。フジには約1100人の社員がいるが、労組の組合員数は80人ほどだった。フジの中居氏の女性トラブル対応が批判され、社員間で経営陣への不信感が広がり、組合員数は500人以上に膨れ上がった。

もともと組合員数が少なかった理由として、フジ社員は「労組に入ると閑職に追いやられると言われています。そんな話を聞いたら、若手は誰も入らなくなりますよ」と明かす。フジ関係者は「フジは社員の年収が往年より下がったけど、今も世間では高給取りの部類に入るのは変わりない。だから、労組活動に積極的ではなかったんです」と補足した。

日枝氏が若いころ、労組の活動に従事したのは知られた話だが、今は労組に対して冷たいように映る。

「おそらく自分が労組をやっていたから、労組が力を付けると厄介な存在になると分かっているからじゃないですか?」(前出社員)

労組は2度も意見書を提出しながらスルーされた形で、怒り心頭だという。別のフジ社員は「状況を改善するには、トップダウンばかりで下の意見を聞こうとしない社風を変えるしかない。日枝さんに辞任してもらうしかない」と力を込める。そのため労組は「今回は緊急事態だからストライキも辞さない」との覚悟を持っているという。

労組は組合員数の急増に比例して、圧力も増強されたといえる。

「このままでは本当に会社が潰れかねない。日枝氏の辞任を求めてストライキを断行する覚悟は、多くの社員が持っている」(同)

会見から一夜明けた28日、子供用品大手「西松屋」は公式サイトで「諸般の事情に鑑み、当面の間、フジテレビへのCM出稿を見合わせる等の対応をいたしますので、お知らせします」と報告した。フジ系「サザエさん」のCMでスポンサー各社が出稿を見合わせる中、同社は26日放送でも出稿していた最後のとりでだった。ほかにも大手企業が2月分のCM出稿をキャンセルしたことが分かった。記者会見を終えても、スポンサーが戻ってくる気配はない。

労組はストを断行するか――。

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