在京スポーツ紙7紙の映画担当記者(東京映画記者会)が選考する「第67回ブルーリボン賞」各賞が決まり、29日に発表した。助演女優賞は小泉今日子(58)で、「海の沈黙」「碁盤切り」など幅広く演じた。
ブルーリボン賞の受賞は、第48回(2005年度)の主演女優賞以来となった。ただ、今回は「辞退したいような気持ちで(受賞連絡の)メールを何日もほうっておいたんです」と言う。
昨年はナレーションを含め計7本もの作品に出演した。
「映画の規模も違う中でそれぞれ違う役をやらせてもらい、おもしろかったとは思うんです。でも、どれも演じ切れたかと思うとそんなこともなくて…」
「海の沈黙」では、夫と元恋人との間で揺れる繊細な心境を巧みに表現。「碁盤斬り」では貫禄たっぷりに遊郭の女将を演じて存在感を示した。
「作品全体を見た時にいいバランスで自分が仕事をできたのかなと考えると、ちょうどいい感じだったのかな」と語った。ただ、「何をやっていても俳優、歌手のメンタルじゃないなといつも感じるんです」と笑い、「私は作品というものから放たれるメッセージが一番、魅力だと思っていて。それを伝えるために、いろんな役を担当するという感覚なんです」。
今後の役者業の展望には「特にね、何もいつも考えていないです。でも、何かしないと生きていけないですよね。できることならソファに寝転がって猫と一緒に韓国ドラマを見たい」と頭をかき、あっけらかんとした表情を見せた。
愛猫家としての一面がある。自身が代表を務める制作会社「明後日」のインスタグラムにはたびたび愛猫で黒猫の「小福田」、三毛猫の「冬子」の2匹が登場。ミュージシャンの上田ケンジとの音楽ユニット「黒猫同盟」では、猫の目線を通して今の世の中を音楽で描く試みにも挑戦している。楽曲「にゃんこの哲学」(昨年6月)は、「にゃんこ にゃんこ♪」のフレーズが印象的でユーモアたっぷり。「肩の力を抜いて生きようよ」というメッセージも込められている。
ブルーリボン賞では主演男優賞、主演女優賞の受賞者が翌年の授賞式で司会を務める。今年度の授賞式(2月12日)の司会は、神木隆之介と吉永小百合。
吉永について「これを言ったら怒られちゃうかな」と苦笑いしつつ、「すごい若いころに同じマンションに住んでいました」と告白。仕事での共演はないといい、「お会いするとしたら初めてかもしれないです」と対面を心待ちにしている。
受賞者は以下の通り。
作品賞 「侍タイムスリッパー」(安田淳一監督)
監督賞 入江悠監督「あんのこと」
主演男優賞 山口馬木也「侍タイムスリッパー」
主演女優賞 河合優実「あんのこと」「ナミビアの砂漠」
助演女優賞 小泉今日子「海の沈黙」「碁盤斬り」など
助演男優賞 大沢たかお「キングダム 大将軍の帰還」
新人賞 早瀬憩「違国日記」「あのコはだぁれ?」
外国作品賞 「オッペンハイマー」