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【ブルーリボン賞】入江悠監督『あんのこと』で監督賞 主演・河合優実に感嘆「彼女はさらにさらに聞いていく」

東スポWEB 2025年1月29日 5時13分

在京スポーツ紙7紙の映画担当記者(東京映画記者会)が選考する「第67回ブルーリボン賞」各賞が決まり、29日に発表した。監督賞は「あんのこと」の入江悠監督(45)が受賞した。

同作は少女の杏が母親からのDV、売春強要の末、覚醒剤におぼれるが、刑事や週刊誌記者との出会いで運命を大きく変えていく物語。コロナ禍に実際にあった事件を基にした。

「わりと娯楽映画好き」な入江監督だが、入念に取材して脚本を書き、ドキュメンタリーに近いアプローチをした。

杏役の河合優実(24)も取材に同行し「どちらかというと、彼女が監督賞をもらってもいいんじゃないかというくらい」の貢献度だった。「覚醒剤にどういうふうに依存していって、それを抜く時にはどういうふうな苦労があるのかとか、話を聞ける当事者の人には一緒に全部行ってもらった」。

目を見張ったのが河合の探究心だ。

「ここらへんでいいかなと質問を打ち切るところ、彼女はさらにさらに聞いていく。メモったりしていましたね。僕だと当事者の人に『その人の写真を見せてもらえませんか』とかちょっと怖くて言えないけど、河合さんは『写真ってありますか』と言って。『その写真はちょっと見せられないです』と(間に入った)記者の人に言われながら、でもやっぱりやるからには全部知りたいというのがあるんじゃないですかね」

3年前の年末に撮影された。

その後、河合は昨年1月期TBS系「不適切にもほどがある!」で、昭和のヤンキー高校生を演じてブレークした。

次に河合とタッグを組むならどんな作品か。

「すごい人気者になっちゃったから、10年後ぐらいにならないと一緒にできないかも」と苦笑い。「でも、役を繊細にやれる唯一無二の俳優さんだなと思います。たぶん身を削るような苦労があると思うんですけど、また誰かに、他者に〝創造〟していくような役をやってほしいな」と河合にエールを送った。

受賞者は以下の通り。

作品賞 「侍タイムスリッパー」(安田淳一監督)
監督賞 入江悠監督「あんのこと」
主演男優賞 山口馬木也「侍タイムスリッパー」
主演女優賞 河合優実「あんのこと」「ナミビアの砂漠」
助演女優賞 小泉今日子「海の沈黙」「碁盤斬り」など
助演男優賞 大沢たかお「キングダム 大将軍の帰還」
新人賞 早瀬憩「違国日記」「あのコはだぁれ?」
外国作品賞 「オッペンハイマー」

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