貧打解消が急務となっている西武がまずは〝3点試合〟の増加を目指す。
昨季は球団史上最悪となるシーズン91敗。歴史的な最下位に沈んだ最たる要因は攻撃陣にあり、チーム打率2割1分2厘はパ・リーグの歴代ワースト記録を塗り変え、350得点も12球団最低の成績だった。
今季から指揮を執る西口文也監督(52)は「守り勝つ野球」を標ぼうし、理想的な試合運びとして「まずは点を取らないといけないので、先に点を取ってウチが楽な展開に持っていきたい」と〝先行逃げ切り〟を掲げている。
球団フロントも野手の新外国人選手としてセデーニョ(前オリックス)、ネビン(前アスレチックス)らを補強したとはいえ、打線全体がいきなり激変する確証はない。それだけに、広池球団本部長も「しぶとく接戦をものにしてAクラスに入り、CSに進むことによって日本一の可能性が出てくると思っています」と現実路線を口にしていた。
そこでポイントとなってくるのが、得点力の底上げだ。打線の軸がなかった昨季は、無得点だった試合が22試合で1得点が41試合。さらに2得点が28試合と2得点以下の試合が実に91試合に上った。得点が多かった方が勝者となる野球では当然勝率は下がり、その戦績は12勝76敗3分けで「1割3分6厘」だった。
一方、3得点以上を挙げた52試合では37勝15敗で、勝率は「7割1分2厘」まで跳ね上がる。先発投手陣が昨季のパ王者・ソフトバンクに次ぐ防御率2・85と奮闘したためだが、打線が何とか3点以上を挙げればチームが浮上する可能性はある。
昨季の1試合平均は「2・5得点」。あと少し上積みし、〝3点打線〟を築けるかがカギとなりそうだ。