原発不明がんのため、28日に67歳で死去した経済アナリスト森永卓郎さんの長男・森永康平氏が29日朝、レギュラー出演する文化放送のラジオ番組「おはよう寺ちゃん」で心境を語った。康平氏も経済アナリストとして活躍している。
27日の文化放送の別番組がメディア出演最後となった森永さん。28日にもニッポン放送の番組に出演が予定されていたが、かなわなかった。
康平氏は「日曜日(26日)に、虫の知らせといったらアレなんですけど、もともと(実家に)帰る予定はなかったんですけれど、何か帰った方がいいかなと、日曜日に帰った」と振り返った。森永さんとは「つらそうにしてるし、薬飲んで寝てたんで、多少は会話した」ぐらいだったという。仕事のため実家を出る際に「ありがとね」と言われたのが、ちゃんとした言葉としては最後に。「最後の言葉としては何か、結構いい言葉だったのかなと思いました」と語った。
森永さんはがんを公表し、体調を明かしながら仕事を続けてきた。康平氏は「治療とか体調とかを大っぴらにしない方がいいのかなと最初は思っていたこともあるんですけど」と語り、こう続けた。
「ただ実際に今、がんで闘病している人とかも日本にはいっぱいいて、そういう人たちが、父親(森永さん)がそういう状況でも仕事をしてたりするのを聞いたりして…。がんとかになると、家族的には安静にしてほしいって思いますし、特にステージが上がっていって、もう手の施しようがないとかってなると、安静にしていてって家族も思うし、本人もそうしちゃうケースがあるらしい。ただ、そんな中でああやって精力的に動いているのを見てたら、『ステージ4だから死ぬまで寝てなきゃいけないんだ』じゃなくて、逆に『もう残された時間は少ないんだから、好きにやっていいんだっていうふうに思いました』みたいなコメントも結構いただいた」
この日の出演に関してはスタッフから「休んでください」と気遣われたが、「親父も亡くなる数時間前まで、隣の局(ニッポン放送)ですけど、電話で出ようとした。それを見て『つらいから出られません』というのはないなという感じだし」と出演を決めた。
「親父も『仕事は受けた以上、全部やり切れ』というスタンスなので、そこは引き継ごうかと」。前日から「ぶっちゃけ寝れてない」状態で経済ニュースの解説をやり通した。