元タレント・中居正広氏(52)の女性トラブルを巡る一連の問題を受け、フジテレビが27日に行った会見がいまだ物議を醸している。17日の会見はクローズドだったとして批判を浴びたため、27日の会見はフルオープンで行われたが、今度は一部記者の振る舞いが問題視されているのだ。記者の質が問われる中、テレビプロデューサーのデーブ・スペクターが提言する「石丸方式」と「NGリスト方式」とは――。
会見には大手メディアやフリーの記者、ユーチューバーら191媒体437人が詰めかけた。午後4時から開始され、1人2問のルールが設けられたものの、質問が途絶えることはなく、終わったのは日付が変わった午前2時20分過ぎ。じつに10時間以上にわたって質疑応答が行われた。
クローズドだった17日の会見が批判を浴びたため、今回はフルオープンで無制限に質問を受ける会見となったのだが、今度は一部記者が問題視されている。自身の考えをとうとうと延べる者、端的に聞くことができない者、答えられない質問を何度も聞く者、怒号やヤジを飛ばし糾弾することに躍起になる者…ネット上では辟易する声が相次いだ。これにはデーブも苦笑する。
「会見なのに弁論大会が始まった。質問者の意見はいらないよ。自分はこう思うとか『朝まで生テレビ!』じゃないんだから。収録番組だったら全部カット」
同じ質問を何度も繰り返す記者もおり「港(浩一前社長)さんたちがこれ以上言えないって分かっているのに、同じことを聞いてどうするの? 誰も聞いてないことを聞くのが記者の腕のみせどころ。それは記者のレベルを問われても仕方ないよ。(会見に参加する記者を)吟味してもいい」。フルオープンはフルオープンで弊害もあるため、一定の制限をした方がいいというわけだ。
最近では前安芸高田市長の石丸伸二氏が、地域政党「再生の道」の立ち上げ会見で珍しい条件を設けたことが記憶に新しい。参加の基準としてマス媒体の有無、もしくは登録者数100万人相当のネット媒体に限定。これに対し、フリーの記者の締め出しではないかと議論になった。
デーブは「一方的な排除はあってはならない」と断った上で石丸方式にも一定の理解を示す。
「誰でもユーチューブを始めてキャスターになれる時代。何らかの基準がなければキリがないし、カオスになるだけ。今回のフジテレビの会見がそれを露呈した」
制限は旧ジャニーズ事務所の会見でもあった。〝記者のNGリスト〟の存在が問題となったのだ。デーブは「場を乱す記者がいると会見そのものの質が落ちる。検閲とか締め出しとかじゃない意味でのリストがあっていい。会見は世間のためにやるものだからね」とルール作りの必要性を訴える。
デーブは今回の会見のポイントについて「フジテレビ社員の関与がどこまであったのか」「トラブルを知った後になぜ中居正広氏を使い続けていたのか」の2点を挙げる。
「週刊誌報道を事実として扱っているからフジテレビが否定しているのに同じ質問を繰り返してしまう。それはどうかなと思う。問題の本質に対してファクトをぶつければ10時間もかからなかったよ」
会見そのものに関しては、日米で違いがあるようだ。
「アメリカは会見なんかめったにやらない。大統領とか政治家はやるけど、やっても10分ぐらい。日本って記者会見王国」と皮肉った。ヤジを飛ばしたり騒いだりすることについても「アメリカだったら、セキュリティーが飛んできます。日本では退場させられるということを想定してないから、やっちゃう」と指摘した。