新日本プロレス2月11日大阪大会でゲイブ・キッド(27)とのV2戦に臨むIWGP・GLOBALヘビー級王者の辻陽太(31)が、同王座を新時代の象徴にする青写真を明かした。ヤングライオン時代に切磋琢磨したゲイブとの王座戦を、新世代の旗手を決める戦いと位置づけ。大一番を制した先に、来年1月4日東京ドーム大会で引退する棚橋弘至との防衛戦を見据えている。
辻は4日東京ドーム大会でデビッド・フィンレーからベルトを奪取すると、米AEWらとの合同興行「レッスルダイナスティ」(5日、東京ドーム)でジャック・ペリーを相手に初防衛に成功。一方のゲイブは5日大会でケニー・オメガに敗れたものの、壮絶な激闘を繰り広げて評価を上げた。
世代交代が叫ばれて久しい新日本マットにおいて、新世代トップランナー同士の王座戦。辻は「今回に関しては時代をつくるための戦いだと思うんですね。1・4、1・5を終えて現状新日本で一番熱い戦い、今打てる最高のカードが俺とゲイブ。それを見せることによって新日本プロレスが新しい形になったと見せることができる」と腕をぶす。
くしくも2020年6月、コロナ禍による興行中止から110日ぶりに開催された無観客試合の第1試合を戦ったのが当時ヤングライオンの辻とゲイブだった。「あの時は新日本プロレスの第1試合を任されるということに誇りを持ってやっていたんです。あそこでしっかり試合できたのは2人にとって重要な一戦になったのかなと」と振り返りつつ「言ってみればあれも新しい時代の分岐点ですよね。今回も俺が新世代の中で最初にIWGP(の冠が付くベルト)を取って、最初に選んだ相手がゲイブ。あれからお互い一人前になって、これから何を見せられるのか、何をつくり上げていくのか、その第一歩だと思います」と豪語した。
大阪決戦を新時代の旗手を決める戦いと位置づける辻には、描いているビジョンがある。「ゲイブを倒した上で、一つの歴史の象徴である棚橋弘至という時代に挑みたい」と現役生活残り1年を切ったエース兼社長との王座戦を熱望。棚橋はかつて自身をプロレス界にスカウトしてくれた恩人だが「恩返しというのもありますけど、現状は個人的なことは置いておいて、棚橋弘至を倒すということで時代の分岐点を示すことができるので。今の時代から新時代が完成するために必要なプロセスだと俺は信じてます」と宣戦布告した。
そのためにもゲイブ相手の王座防衛は絶対条件だ。「時代をつくるには俺一人ではできないし、最高の対戦相手が必要。あえてここではパートナーと言いますけど、現状の最高のパートナーはゲイブであると思うし、もちろん上村(優也)が帰ってきたら上村もその一人になると俺は信じてます」と目を輝かせた辻が、団体の未来を担う。