カーリングの日本選手権(2月2日開幕、横浜BUNTAI)を前に、注目を集めるフォルティウスのスキップ・吉村紗也香(33)が本紙の単独インタビューで激白だ。2026年ミラノ・コルティナ五輪の日本代表候補チームの選考に関わる重要な一戦。22年北京五輪は、日本代表決定戦で勝利に王手をかけながら、ロコ・ソラーレ(LS)に敗れて悲願の出場を逃した。リベンジに燃えるチームの大黒柱は、誰よりも熱き思いで氷上に立つ覚悟だ。
――昨年12月の軽井沢国際選手権は決勝で2018年平昌五輪女王スウェーデンチームに勝利。状態は上向きだ
吉村 調子を上げてきているし、それぞれがいい準備をできている。日本選手権前最後の大会だった軽井沢国際では、自分たちが今季やってきたことを発揮できた。今季は収穫の多いシーズン。少しずつ整理し、自分たちのスタイルを確立していきながら、最終調整に入れている。
――北京五輪の日本代表決定戦はLSに敗北
吉村 前回は逆転負けという悔しい思いをした。チーム体制も変わったけど、自分たちはもっとできるとそれぞれが感じることができた。「また一緒に頑張ろう」と強い意志を持って、今も五輪の道に向かって頑張っている。新しいメンバーも加わって、あの時よりは確実に強くなっている自信はある。
――23年12月には第1子を出産。母になってメンタル面に変化は
吉村 出産という今まで生きてきた中で、第1位に入るビッグイベントを乗り越えることで強くなったと感じている。プレー時も昔の自分より何かどっしり構えられているなという感覚がある。それを次は日本選手権で見せていきたい。
――日本選手権はLS、北海道銀行、フォルティウス、中部電力、SC軽井沢クラブが優勝争いの軸になる
吉村 この5チームは海外のチームとも互角に戦えているが、自分たちのチームもいい手応えを感じている。たぶんどのチームも五輪で金メダルを目標にやってきていて、日本のチームが(五輪金メダルに)どんどん近づいてきていると思う。日本のレベルが上がってきているのは、自分たちも競技をやっている中ですごくうれしい。
――最後に日本選手権の目標を
吉村 どのチームもそうだが、自分たちも優勝を目指している。五輪への道をつなげたいというところで、今まで積み上げてきたものをこの大会でしっかりと発揮したい。もちろん緊張だったり、プレッシャーもあると思うが、自分たちがやってきたことに自信を持ちながら。1人で戦っているわけではないし、チーム全員で戦いたい。すごく力強い仲間たちがいるので、助け合いながら、楽しみながら、プレーできたら。
☆よしむら・さやか 1992年1月30日生まれ。北海道出身。カーリングの聖地・常呂町で育ち、小学4年時に競技を始める。13年世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得。14年からフォルティウスでプレー。19年にはグランドスラムで日本勢初の準優勝に輝いた。21年日本選手権ではLSを下して優勝。22年北京五輪の切符をかけた日本代表決定戦ではLSと死闘を繰り広げた。162センチ。