【宮崎祐樹連載 オリのゴリBsを知り過ぎた男(53)】ドジャース・山本由伸投手の話題が続きますが、もうしばらくお付き合いください。僕が現役時代だった2016年の秋ごろ、18歳の由伸がオリックスの一員になりました。投げるボールを間近で見て「こんなにエゲつないボールを投げるとは」と衝撃を受けました。
そうなると、自分自身にご縁があるメーカーさんの商品など、いい物を紹介したいという思考回路が働くんです。僕の場合は気に入って着用させていただいていたソックスでした。
当時のメーカー代表の方に「山本由伸という投手がエグいから、今のうちからアプローチかけなきゃ」と背中を押させてもらい、由伸はすぐにそのソックスを着用してくれてオリックスで活躍してくれました。
僕の現在の本業は「アクサ生命」の保険営業マンですが、以前にこちらで書いたように社会人軟式野球チームの監督もやらせていただいています。そのチームはグループホームや障がい者福祉施設など、介護業界に携わる3つの会社で運営されています。
実は由伸ら多くのアスリートが着用してくれているソックスには刺しゅうが入っていて、その作業に福祉施設の障がい者の方々も関わってくれています。その方々を支援するスタッフが、われわれの野球チームのスタッフでもあり、みんなで作った製品が有名選手にも使ってもらえると、めちゃくちゃ生きがいになると思うんです。
少しでもドジャースの山本由伸投手に関われることは夢があると思います。同じ人間であることは分かっていますが、時代のメインストリームに乗ってMLBで活躍する存在は特別ですよね。
少し話は変わりますが、由伸がMLBの中では小柄な体格だなと思っている人は少なくないと思います。とある資料からデータを引き出すと身長が177・8センチ、体重は79・8キロだそうです。MLBの平均は187センチ、92キロほどといわれているので、かなり小さい方だと思います。
僕が出会ったルーキーの頃はもっと細くて小さかったイメージが残っています。しかし、1年目の彼と食事をともにした北海道遠征の時は驚きました。本当に尋常じゃないほどめちゃくちゃな大食漢なんです。あの体からは想像ができないほどです。
オリックスOBでは、井川慶さん(阪神、ヤンキースなど)がすしをリアルに100貫(回転ずしなら50皿ほど)をペロリと食べるというウワサでしたが、それに匹敵するかもしれません。
北海道の海鮮をトータルで10人前だか20人前だかを注文して、僕はもう腹いっぱいですよ。それでも、由伸は「宮崎さん、それいらないんですか? じゃ、僕いただきますね。うわ、めっちゃおいしいです!」というノリで果てしなく食べ続けていたのが印象的でした。
昭和の名プレーヤーたちはよく「いい選手はよく食う」と表現します。アスリートは体が資本です。その体をつくるのは食生活です。しっかり栄養をエネルギーに変えて活躍できているんですね。由伸はルーキーイヤーの17年8月31日のロッテ戦で先発し、5回4安打1四球2奪三振2失点でプロ初勝利を挙げました。あの日、僕と由伸のロッカーが隣だったことが懐かしいですね。