日本漫画家協会会長で漫画家のちばてつや氏が30日、国会内で開かれた「マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟(MANGA議連)」(会長・古屋圭司衆院議員)にゲストとして出席した。
「あしたのジョー」(原作・高森朝雄氏)や「のたり松太郎」など数多くの代表作で知られるちば氏は、昨年11月3日に文化勲章親授式で天皇陛下から漫画家として初の文化勲章を贈られた。
同議連はヒアリングの前に、ちば氏の功績をたたえて自民党の小野田紀美参院議員から花束を贈り、出席者全員が大きな拍手で祝福した。
ちば氏は「みんながマンガやアニメやゲームのことを大事にしてくれていると知ってビックリしています。漫画というのは昔はね、『漫画なんて読んじゃダメだ!』と言われてね。私の子どもの頃、漫画は家に一冊もなかったんです。私は(旧満州で敗戦を迎えた)引き揚げ者なんですけども、(日本に)帰ってきていろんな漫画あることを知ってカルチャーショックを受けたんです」と話した。
同議連への要望についても言及した。
ちば氏は「鳥羽僧正や葛飾北斎は和紙に描いていたから、(作品が)残っているんです。戦後から始めた漫画はケント紙や画用紙で描いていた。インクもよくないことで、劣化をしてしまって誰もがはらはらしていたんです。でも去年から今年にかけて文化庁が来てくれまして私の60年前の原稿をすべてチェックして『どうしたら保存できるか』とか、いろいろ研究をしてくれている。それはうれしいことなんですけど、私の先輩たちの素晴らしい作品が劣化し始めているんです。どうか、そのへんをフォローし守っていただきたい」と訴えた。