正捕手争いのカギは――。ソフトバンクは2月1日に宮崎・生目の杜運動公園でキャンプインを迎える。今春の最注目は、巨人にFA移籍した甲斐拓也捕手(32)の後釜を誰が担うか。小久保裕紀監督(53)は競争を勝ち抜くポイントに「投手陣の信頼」を挙げた。
チームは30日に福岡市の筥崎宮で必勝祈願を行った。指揮官は新シーズンに向けて「(去年)やっぱり最後に日本シリーズで負けて全然すっきりしないオフだった。勝負事は最後に勝たないと意味がないと感じた12月、1月だった。今年は最後の最後までハッピーエンドで終わることを目標にやるだけ」とリーグ連覇からの日本一奪取を誓った。
完全制覇を成し遂げるには、どっしりと構える「ポスト甲斐」の存在が不可欠だ。指揮官はこの日、正捕手争いのポイントに言及。「選手たちの競争の邪魔をしない」と改めて強調した上で「彼らがしっかり答えを出すところまでは辛抱強く待ちたい。それプラス、やっぱり『投手陣の信頼』を得ないとそのポジションはつかめない」と言い切った。
後釜候補の海野、谷川原はともに27歳。捕手は33歳の嶺井を除けば全員が若手という陣容だ。エースやベテランといった目上の投手をいかにリードするのか。キャンプからは信頼を積み重ねるための大事な期間に入っていく。
扇の要を担える「ポスト甲斐」の台頭が、連覇へのカギを握るのは言うまでもない。だからこそ小久保監督はこんな本音も明かした。
「投手、バッテリーが一番大事。投手の加入(による先発争い)もそうだけど、誰が正捕手を取るのか。その戦い、争いをすごく楽しみにしている部分でもあるけど、逆に言うと半分不安な部分でもある。そこは背中合わせ」
経験が少ない若手捕手は仲間からの信頼を集め、目をかけてもらえるだけの資質を示さなければならない。野球人生をかけた戦いがいよいよ始まる。