火の玉流〝愛の管理野球〟で若虎を鍛え上げる。阪神・藤川球児監督(44)が31日に春季キャンプ地の沖縄・宜野座に到着。「みんなスイッチも入っていると思うし、コントロールしていきたい。選手たちもオフの間にいい準備をしてきてくれた」と目前に迫った球春に心を躍らせた。
チーム力底上げのためにも、若手のレベルアップは重要な課題。高卒3年目外野手・井坪や、同2年目の遊撃手・山田ら10代の選手も多くが一軍組の宜野座に招集されている。今キャンプでは、栄養面の管理を徹底するため、20代前半までのナインには外食のための外出を基本的には控えさせ、宿舎内で積極的に食事をとらせる方針だ。
昨秋の就任直後に打ち出した「禁煙令」など、意欲的に独自色を打ち出し続けている新指揮官は「秋季キャンプ中に(宿舎で)食事をしている選手たちが何だかつまらなそうに、静かに食事をしているのを見て、何でかな?と思ってて。『外に出たい』と思わせてしまうのは、こちらに問題もあるのかもしれない(笑い)」とニヤリ。「そういうところも変えていきたい。みんなでもっとワイワイ楽しくやってくれればいい」とチームのムード醸成にも意欲を燃やした。
目指すべきは血と愛の通った選手管理。藤川監督はこの日、一、二軍合同で行われた全体ミーティングで選手一人ひとりをリスペクトする姿勢を強調。選手会長の中野も「『監督が選手をリスペクトする』という言葉はこれまで聞いたことがなかったので、素直にうれしかった。メリハリをしっかりつけながら、チームのムードをよくできるようにやっていきたい」と、新たなボスの方針に感銘を受けたと明かした。
ファームで長い下積み期間を経験した藤川監督が、伝説的リリーフユニット「JFK」の一角として頭角を現したのは、自身が25歳を迎えた2005年のシーズン。若手時代の心身修養の大切さを誰よりも知るだけに、愛を込めて春の若虎を鍛え上げる。