西武は首脳陣と選手らが1月31日、一軍キャンプ地の宮崎・日南市南郷に到着した。西口文也監督(52)から唯一の「レギュラー手形」を渡されていた前主将・源田壮亮内野手(31)がこれを返上したことで、全8ポジション白紙の〝さら地状態〟からチーム再建を図ることになった。
西口監督は「身の引き締まる思い。今年しっかりやってやろう、やり返したいなという思いになりました。チャレンジャー精神で思いっきりぶつかっていきたい」と1日から始まるキャンプへの思いを語った。
その上で、あらためて「源田以外のポジションが白紙」であることを問われた指揮官はアップデートした変更点について話し始めた。
「源田もね、取りあえず本人と話して、もう一度、一からやり直したいということでという意味も込めて。一応全てのポジションを白紙の状態で行こうかなと」
言うまでもなく、侍ジャパンの正遊撃手である源田を守備力で追い越せるライバルは今のチーム内に誰一人いない。しかしながら源田本人としては昨年暮れの「文春砲」によって表面化した一連の不倫騒動により、裏切ってしまった関係者やファンに対するケジメをせめて形だけでも付けなければという思いが強いようだ。
1月12日の謝罪会見で源田は「キャプテンもやらせていただきましたし(WBC、プレミア12など日本)代表にも選んでいただきました。野球選手としてということもありますけど、やはり人として信頼していただいていたので、そういった信頼を全て裏切ってしまった。時間はどれだけかかるか分かりませんけども、なんとか野球でまた応援していただけるように頑張っていかないといけない」とゼロからの再出発を誓っていた。
その意をくんだ西口監督も「やっぱり最有力候補ではあるけど。本人のそういう気持ちをしっかりこっちも受け止めて。そういう気持ちでやってもらって今年いい成績を残してくれればいい」と了承。レギュラー全ポジションが白紙となったことを強調した。
シーズン91敗、借金42からの再建は容易ではない。個人的事情があるとはいえ、チーム唯一のレギュラー野手がゼロからのリスタートを直訴して臨むサバイバルキャンプをライオンズ再建の推進力としたいところだ。