ポジション変更の狙いとは――。カーリングの日本選手権が2日に神奈川・横浜BUNTAIで開幕する。2026年ミラノ・コルティナ五輪の日本代表候補チームの選考に関わる重要な一戦。大舞台へ向け、前回大会覇者・SC軽井沢クラブの西室雄二コーチが取材に応じ〝化学反応〟の効果を明かした。
今大会は連覇のかかる大一番だが、世界ランキングは出場チームの中で5番目の21位。五輪2大会連続メダルのロコ・ソラーレ(LS)が7位、急成長中の北海道銀行が9位で、あくまで追いかける立場だ。西室コーチは「LSさん、北海道銀行さんなどの方が上位にいるし、前回も我々が頭1つ抜けて優勝したという状況ではないことは認識している。強豪チームと対戦ができるからこそ、強みや弱みを見つけたい。あくまでチームの目標としては世界のトップを目指していくところなので、気負わずにやっていければ」と自然体を貫く構えだ。
今大会は金井亜翠香をリードに、上野結生をサードに配置。昨季とは異なる体制で試合を迎える。西室コーチは「上野結は速いテイクアウトのショットなどを安定して出せるので、リードではなくて速いテイクも投げられるポジションに持ってきた。最近のカーリングは1投目にどこに置けるかで、その後の流れが左右される。安定したドロー系のショットを投げる金井をリードにすることで、それぞれの特性をより生かせるようになった」と狙いを説明した。
昨年12月の軽井沢国際選手権では、世界ランキング2位のスイスに勝利するなど、成果は形となって現れている。
「アイスを読んだり、自分たちのパフォーマンスをしっかり発揮することができれば、自分たちでも十分に戦える自信、必要なスキルを経験も含めて得られている」と手応えを口にした。
近年の日本女子カーリング界は、各チームのレベルが急激に上昇中。どこが勝ってもおかしくない戦いだ。だからこそ「今季成長してきたものをしっかり成果に変えていきたい」。再び頂点を勝ち取り、五輪への道を明るく照らすことはできるか。