今年は精力的に動かない!? 日本ハム・新庄剛志監督(53)のキャンプでの「変貌ぶり」がチーム内外で話題をさらっている。といっても、本人がすでに周囲に明かしている整形の話ではない。春季キャンプでの自身の「動向」のことだ。
新庄監督の春季キャンプといえば、例年「動き回る」ことで有名だった。初日から相棒とも言われる電動キックボードを駆使してグラウンドやブルペン、サブグラウンドなどを精力的に移動。キャンプ施設を縦横無尽に駆け巡り選手をチェックする姿が昨年までは日常的だった。だが、就任4年目の今季はそんな動きが一変。この日はキャンプ初日にも関わらず、午前中に中日からFAで新加入した福谷浩司投手(34)の投球を視察するなど、ブルペンに2度足を運んだだけ。それ以外の時間はほぼ球場内にこもり、表に姿を見せなかった。
昨年までとは明らかに異なる新庄監督のこの動向。なぜ突如「引きこもり傾向」になったのか。要因はここ数年で急成長を遂げたナインへの信頼と期待が込められている。
昨年までのキャンプはチームが低迷していたこともあり、自身が直接指導したりパフォーマンスを披露することでファンや周囲、ナインを盛り上げる必要があった。だが、現チームはクライマックスシリーズに出場できるまでに急成長。個々の選手も自覚を持って練習を行えるようになった。こうした選手の自立が指揮官に「もう自分が細かく見る必要がない」と判断させたのだろう。
新庄監督はこの日、キャンプ初日を終えたチームの印象を問われると「初日終えてどうでした?と言われても…どうもこうもねぇ」と苦笑いを浮かべながらも「みんな仕上がりが早いね。本当に。足の動きがいいですもん」とナインを称賛。その上で「もう(オフから)休んでないんじゃないかな。それだけ気が入ってる」と選手たちの周到な準備に目を細めた。そして身の動きを含め、今後についてこう胸の内を明かした。
「だから、もう選手に任せてね。(昨季)あんだけ逆転できるチームになったので。勝てるコツっていうのは、みんなわかってきてるんじゃないですかね。だからケガはしてほしくないですね」
自ら手ほどきをしなくても、選手は自覚を持って行動してくれる今季の日本ハム。やはり昨季以上に期待が持てるのかもしれない。