〝名伯楽〟の熱血指導が始まった――。巨人・田中将大投手(36)と久保康生巡回投手コーチ(66)が宮崎春季キャンプ初日、マンツーマンで練習に励んだ。
菅野を復活させた人物であり〝名伯楽〟と評される久保コーチ。キャッチボールの時から田中将に声をかけ、何度も助言を送った。傾斜を使って練習する前はおよそ20分間、身ぶり手ぶりを交えて体重移動のコツを伝授。最後には1時間にもおよぶ傾斜を使用した投球練習を行った。同コーチは動画を撮りながら、こと細かに動作の確認を入念に行った。
1時間を超える指導を終えた久保コーチは「ヒジの故障もありましたので、もう少しシンプルに動こうと。今までの動きを度外視して体をシンプルに使う。それが一番の今日のつかみかな」と指導のテーマを語った上で「勝ってほしいんですよ。ただ投げる形がよくて、100点をもらうような状況じゃなくて、バッターと対戦して勝てるっていう要素を含んだピッチングフォームにしたい」と、今後における田中将の〝理想形態〟を明かした。
直接的な指導は初めてだったが、準備は抜かりなかった。同コーチは、キャンプ前に田中将とミーティングを重ね、緻密に〝マー君復活プラン〟を立てていた。さらには田中将の試合映像を入念にチェック。最多勝を挙げ、日本一に貢献した2013年の試合映像からこれまでを分析し、崩れた要因を箇条書きにして右腕に送った。
「勝ってる時期っていうのは、やっぱすごく正しいよね。偶然じゃないんですよね。必然的なものがあるんです」(久保コーチ)
そんなコーチの真摯な姿勢に応えるべく、〝マー君〟も奮起する。田中将は「ほんとにこういうふうに言っていただけることは、幸せなことなので」とつぶやくと「久保さんのアイデアに、しっかりと自分ができるようにしたいなと思っています」と意気込んだ。
久保コーチ考案の〝マー君復活プラン〟により、田中将はキャンプでどんな〝新化〟を遂げるのか注目だ。